しかし19周目、2番手走行中だったリンスがまさかのクラッシュ。5コーナーのエイペックスに差しかかるあたりでリヤを滑らせ、スリップダウンを喫して痛恨のリタイアとなった。
代わって表彰台争いに名乗りを上げたのが、ザルコ。そして11番グリッドから追い上げ、3番手に浮上していたフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)だった。さらに4番手のミルもバニャイアの後ろをキープ。ところが21周目、10コーナーで2番手に浮上していたザルコがクラッシュを喫し、リンスに続いてリタイアとなった。
残り3周、クアルタラロは2番手に浮上したバニャイアと4秒以上の差を築いて独走体勢。そしてそのまま、トップでチェッカーを受けた。クアルタラロはドーハGPに続く連勝を飾り、今季2勝目を挙げた。11番グリッドからスタートしたバニャイアは見事に追い上げ、2位フィニッシュ。最後までバニャイアに迫ったミルは3位に入り、今季初の表彰台に立った。
4位はモルビデリ、5位にはカタールでの2戦の低迷を払しょくするブラッド・ビンダー(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)。そして、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)が6位で、表彰台争いには絡むことはなかったものの、ポジションを維持してみせた。
9か月ぶりのMotoGPレースとなったマルク・マルケスは7位フィニッシュ。最後までレースを走り切り、さらにホンダ最上位のポジションでレースを終えて大クラッシュからの見事なカムバックを果たした。
初日のクラッシュにより右の鎖骨の痛みに苦しんだ中上は10位フィニッシュ。苦戦続きの開幕戦と2戦を経て、苦しい週末となったポルトガルGPを乗り越え、今季初めてポイントを獲得している。