順番が逆になってしまったが、2位でフィニッシュしたザルコ。こちらは5番グリッドながら、スタートで失敗し、さらにはバイクに問題が生じたフランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)を避けるためにポジションダウンしてしまったという。

 マシンの乗り換え後は5番手に復帰したが、レインタイヤを温めるのに時間がかかったのだとか。

「僕は(前後とも)ミディアムタイヤを履いていたんだけど、温まるのに3周から4周かかった。優勝を考えるならば、このときの4周でタイムを失いすぎたと言えるね」

 もしそれがなかったら……といった口ぶりでもあった。確かに、ザルコが5番手だったとき、トップとの差は20秒近くあった。それを20周ほどかけて追い上げ、クアルタラロを交わし、2位でフィニッシュしているのである。

 レース終盤のペースを見れば、ミラーよりも速い。ザルコの口ぶりはそういうことなのだろう。けれどレースには“たられば”はなく、ザルコ自身も「でも、(そう言って)優勝を逃してがっかりするのは、間違った考え方だろう」と語っていた。

 ちなみに、ザルコとクアルタラロのフランス人ライダーふたりがポディウムを獲得したのは、今季2度目。2度目は母国グランプリのフランスGPで、そろって表彰台に立った。

 最後に、会見でフラッグ・トゥ・フラッグを楽しんだか、と質問された3人の答えが興味深かったので紹介しよう。

 ミラーは「こういうのは全部緊張を強いられるものだと思うけど、僕たちのスポーツにいけてる要素を加えるものだとも思う。だから言うなれば、必要な“やっかいさ”だとも思うよ。でも、赤旗が出てピットに戻って、『ん~~』って少し待ってからもう一度スタートするよりはいい」と、彼らしい表現でコメント。

 ザルコは「1周早くピットに入っていたら、かなり違ったかもね。そうすれば、きっとそのライダーが勝っていたよ。だから、フラッグ・トゥ・フラッグは精神的に疲れる。でもまあ、僕としては、今日はレインタイヤでドライコンディションを走ってもすごくうまくいった」と、ピットインのタイミングの難しさを示唆した。

 そしてフラッグ・トゥ・フラッグ初体験となったクアルタラロは「僕としては、もしトップ10に入らなかったら、フラッグ・トゥ・フラッグを楽しめなかっただろう。でも、初めて(こういうコンディションで)いい結果を出せたので、すごくいい経験だった。楽しめるかどうかっていうのは、結果やフィーリングによると思うよ。だから、今日に関して言えば、楽しんだね」と語っていたが、別の質問に対しては「楽しかったけど、難しかった。でも、精神的に疲れたね。間違ったピットに止まって、ロングラップ・ペナルティを受けてしまった。最初の5周はすごく難しかった。まあでも、1回でいいかな」とも答えていた。

 フランスGPは、トップ3だけ見ても三者三様のドラマがあった。それだけ難しいレースだった、ということなのだろう。

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