中上の手から、再び表彰台がこぼれ落ちていった。2021年シーズン、自己ベストグリッドとなる4番手を獲得。決勝レースでは好スタートを切り、3番手に浮上すると、マーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)を抑えて周回を重ねた。さらにレース中盤にはフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)と2番手争いを展開する。

「序盤のパフォーマンスには満足しています。バニャイアをオーバーテイクするのは難しかったです。ストレートではロケットみたいに速かったですからね。彼の前で走り続けることは難しかったです」

 ただ、致命的となったのは16周目1コーナーでのコースアウトだった。大回りになる程度ではあったものの、いくつものポジションを落とすには十分なミスだった。中上は9番手に後退し、その位置のまま9位でレースを終えた。
 
「(コースアウトしたあとは)みんな同じようなラップタイムでしたから、前のライダーをとらえるのは難しかったです。エネルギーも、再び攻めるペースもありませんでした」

 悔しいレースにはなったが、後半戦に前向きな材料はある。「モンメロ(カタルーニャ)テストのあとから、バイクのフィーリングやスピード、モチベーションが少しずつ戻ってきた」のだそうだ。中上自身とともにマシンのポテンシャルの一端を今回のレースで見せることができた、と言えるだろう。
 
 表彰台を争うレース経験は積み重ねた。あとは勝ち取って上るだけだ。

2021年MotoGP第9戦オランダGP 中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)
2021年MotoGP第9戦オランダGP 中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)

本日のレースクイーン

優羽ゆうは
2025年 / スーパー耐久
LOVEDRIVE RACING
  • auto sport ch by autosport web

    FORMATION LAP Produced by autosport

    トランポドライバーの超絶技【最難関は最初にやってくる】FORMATION LAP Produced by auto sport

  • auto sport

    auto sport 2026年1月号 No.1615

    ネクスト・フォーミュラ 2026
    F1からカートまで
    “次世代シングルシーター”に胸騒ぎ

  • asweb shop

    STANLEY TEAM KUNIMITSUグッズに御朱印帳が登場!
    細かい繊細な織りで表現された豪華な仕上げ

    3,000円