バスティアニーニはさらにファステストラップ・レコードを更新するタイムを立て続けに記録して、3番手のミラーを猛追。残り9周でついにその差は0.2秒を切る。素晴らしいペースを刻み続けるバスティアニーニは残り9周の13コーナーでミラーをとらえた。ミラーは抵抗できずにバスティアニーニにオーバーテイクを許す。ルーキー、バスティアニーニが3番手を奪取し、表彰台圏内に躍り出た。
残り5周で2番手のクアルタラロはトップのバニャイアとの差を1秒ほどにまで詰めていた。残り4周にはその差は0.5秒になる。バニャイアのペースは終盤に入って落ち始めていたのだ。チャンピオンシップでランキングトップのクアルタラロと、ランキング2番手のバニャイア。タイトルを争う二人のライダーがコース上で激突する形となった。
最終ラップに入ったとき、二人の差は約0.2秒。バニャイアに迫るクアルタラロ、トップを守るバニャイア。そしてバニャイアが最終コーナーを先頭のまま立ち上がった。
バニャイアは終盤のクアルタラロの猛追を振り切り、2連勝を挙げた。クアルタラロは惜しくもバニャイアに届かなかったが、2位。優勝は逃したものの、2位になったことでポイントのダメージを最小限にとどめた。3位は最高峰クラスのルーキーであるバスティアニーニ。最高峰クラスで初の表彰台獲得となった。
終盤にマルク・マルケス、ミラー、ミルによって激しく争われた4位にはマルク・マルケスが入り、5位はミラー。6位はミルだった。この結果、チャンピオンシップではクアルタラロがランキングトップを維持したが、2番手のバニャイアとは5ポイント縮まり48ポイントとなった。ランキング3番手のミルはクアルタラロと67ポイント差となっている。
中上は13番グリッドからスタートし、10位フィニッシュ。アプリリアでの2戦目となったマーベリック・ビニャーレス(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)は13位、最後のサンマリノGPとなったバレンティーノ・ロッシ(ペトロナス・ヤマハSRT)は17位。MotoGP復帰戦だったアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ペトロナス・ヤマハSRT)は21位だった。



