憤懣やるかたないレースとなったのが、アレイシ・エスパルガロだった。クアルタラロ、バニャイアよりも前の6番グリッドからスタートするはずだったアレイシ・エスパルガロ。しかしスタート直前にコースを一周してグリッドにつくウオームアップラップを走りだすと、アレイシ・エスパルガロのマシンのスピードは明らかに遅かった。そしてグリッドにはつかずピットイン。素早くバイクを乗り換え、ピットレーンからレースをスタートした。最後尾から追い上げ、16位でゴールしている。

 アレイシ・エスパルガロがレース後に語ったところによれば、燃料をセーブするためのマッピングをチームが解除しなかったことが原因だったという。つまり、ヒューマンエラーだった。

「それは燃料をセーブするためのもので、『エコ・マップ』と呼んでいるんだけど、バイクが100km/h以下、5000rpm以下になってしまうんだ。いろいろやってみたけどうまくいかなくて、ピットでバイクを乗り換えた」

 だが、乗り換えたセカンドバイクはアレイシ・エスパルガロが当初選んだタイヤを履いていなかった。グリッド上でアレイシ・エスパルガロが選んだのは、フロントにハード、リヤにミディアム。セカンドバイクはリヤにソフトが装着されていた。

「セカンドバイクはリヤにソフトタイヤを履いていて、そのタイヤでは走れなかった。最初からバイクがフロントをプッシュしているのがわかって、僕はただ、クラッシュしないように努めたよ。とてもナーバスにもなっていて、かなりミスをした。だから転倒しないように走って赤旗とかそういったものを待つことにしたけど、そういうことは起こらなかった」

「セカンドバイクは全く乗っていなかった。そしてソフトタイヤは全く好ましいものではなかった。ミディアムタイヤを履いた最初のバイクでは、少なくともジャックのように1分45秒中盤のタイムを出せただろう。残念だ」

 アレイシ・エスパルガロにとって何より悲しかったのは、クアルタラロやバニャイア、そして表彰台を獲得したライダーたちと戦う土俵に立つこともできずにレースを終えざるをえなかったことだった。「彼ら(クアルタラロやバニャイア)が優勝や2位で終えていたら、チャンピオンシップについてそれは最悪だっただろうけど、それほど怒りはなく、それほど悲しくもなかっただろうな」とアレイシ・エスパルガロは言う。

「僕にとっては最悪のレースだった。だって大きなチャンスを逃したんだから。すごく悲しいよ。今日は彼らよりも速いとわかっていた。でもファビオとペッコ(フランセスコ・バニャイア)よりも速く走ることはとても難しかった。大きな損失だ」

 そして3連戦最後のレースとなる第17戦タイGPについて「チャンピオン争いのことは気にせずに、勝ちたい。タイGPについてはそれだけを考えている」と語っていた。2022年シーズンは残り4戦。日本GPを終え、ランキング2番手のバニャイアとの差は変わらず7ポイントだが、ランキングトップのクアルタラロとのポイント差は25に拡大している。

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