「前のオーナーさんが5年かけて丁寧にレストアされたということで、問題がない。強いて言えば、暑いぐらい。ドアを開けた時になんというか、男の匂いがしたのですよね。だから歴代オーナーの皆さんが相当に汗をかきながら乗られてたのだろうと(笑)」

 真夏の納車となり、男の濃度が上がりきったところで路上へ繰り出すと、ディノのときとは一味違った『あれは何だろう?』という不思議なものを見るような視線を集めた。エンジンの始動は良いが1速にシフトが入りにくく2速発進を何度か強いられる。「急ハンドルだけは気をつけて下さい」と言われたハンドリングも、自分にとっては「ラリーで活躍したことを伝えてくれる性能とキビキビしたハンドリング」とそのクルマの歴史を僅かな時間で感じ取ることが出来た。

「車高が低くて乗るときはほぼ毎回頭をぶつけます。あとは窓が非常に面白くて、ドアを閉じたまま窓を閉めようとすると何かに引っかかって一番上まで上がらないのですね。窓を開ける時はネジのようなものをリリースすると窓がストンと落ちて簡単なのですが、閉めるときはドアを開けて窓を持ち上げて、ネジを締めこんで固定しなければなりません。あとドアの横にヘルメット入れがあり、以前からそれを聞いていましたので納車の時にヘルメットを用意していきましたが……入らない(笑)。昔の小振りなジェット式でないとスペースが小さくてダメみたいです」

「あとは2速発進がたまにありますので、踏切で止まったら……とか坂道発進でエンストはカッコ悪い、など自分なりに緊張感あふれる運転をしている程度で大きなトラブルはないです。もともといいクルマですのできちんと調整したら、その状態を維持できるクルマかと思います。ゴムのパッキンがいい感じにアバウトで洗車したらトランクが水漏れしていた、とかは気にしないで(笑)」

 実は子供の頃に憧れた“4連ライトポッド”を付けようと考えた時期もあったが、本場イタリアのヒストリックラリーを見に行った際、識者に「穴を開けるなら最初からライトポッド付きをもう1台買ったほうがいい」などとアドバイスを受け、考えが変わった。

「今の段階から娘にストラトスを見せているのですが、嫌いではないみたいでして。どうやら一番好きなのは別に持っておりますアバルトみたいなのですが、もしも引き継いでもらえるのでしたら、引き継いでもらいたい1台です……と言いましても、まだ3歳ですけどね(笑)」

 そう語りつつ、「でも変な彼氏が出来ちゃってね、その彼氏に運転させてうっかりぶつけられたりしたらどうしよう(笑)」と思い悩む笑顔は、最高に幸せなお父さんそのものだった。

本日のレースクイーン

安西茉莉あんざいまり
2026年 / スーパーGT
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