判官贔屓、つまり弱い者に同情して応援する気持ちは日本人に特に強いように思います。ラグビーの日本代表が弱かったなんていったらこのサイトが炎上しそうですが、日本代表がワールドカップで上位に食い込んだことがないのは歴史的な事実。

 その歴史を覆して決勝リーグにまで駒を進めたのですから、私たちが感動したのはある意味で当然といえます。なにせ、あんなに身体が大きくてどう猛そうな外国チーム(失礼!)を相手に正々堂々と肉弾戦を繰り広げて勝利したのです。彼らの勇気と努力はどれほど賞賛しても賞賛しすぎることはならないでしょう。

 それでもラグビーのルールが難しいことには変わりありません。ただし、私を含めた“にわかラグビー・ファン”の多くは、ラグビーというスポーツのおおよその仕組みを理解しただけで、ルールの詳細までは把握していなかったはずです。

 それでも多くの日本人が感動できたのは、力尽くで前に突進するというラグビーのシンプルな原理が認められ、その魅力がテレビなどを通じて広く伝えられたからでしょう。

 ラグビーのあの複雑なルールも、『ボールを持って前に突進する』というシンプルなラグビーの本質をスポーツとして成立させるためになくてはならない要素だと私は捉えています。また、パスワークの進化によりゲームがよりスピーディになったことも人気を博した秘密だと長年のラグビーファンは私に教えてくれました。

 もっとも、私がこのコラムを書いているのは、いまさら皆さんにラグビーの魅力を語るのが目的ではありません。

 私たちが大好きなモータースポーツは、ここに挙げたさまざまな観点から見つめたときにどんな長所があり、そしてどんな弱点があるのか。これらを意識することで、モータースポーツへの理解がより深まり、ひいては未来のモータースポーツについて議論するひとつのきっかけになると信じているからです。

 今回は、いわばその前置き。次回は、こうした視点から見渡したときにモータースポーツにはどんな魅力があってどんな弱点があるのかについてお話ししましょう。

HONDA Racing THANKS DAY 2019
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