7月8日、TOYOTA GAZOO Racingは、大分県のオートポリスで7月26〜27日に開催されるENEOSスーパー耐久シリーズ2025Empowered by BRIDGESTONE第5戦『スーパー耐久レース in オートポリス』で、ST-Qクラスにデビューを予定していたGRヤリスMコンセプトが欠場すると発表した。
TOYOTA GAZOO Racingは2025年、ROOKIE Racingとともに『TG-RR』として、『モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり』を目指す活動をスーパー耐久、ニュルブルクリンク24時間への参戦を通じて行っている。
そんな今シーズンの活動のなかでは、水素エンジン搭載のTGRR GR Corolla H2 conceptでの参戦、ニュルブルクリンク24時間でのDAT搭載のGRヤリスでの挑戦など興味深い取り組みが続けられているが、中でも1月の東京オートサロンの際に行われた活動発表の中で注目を集めたのが、GRヤリスをミッドシップ化した『GRヤリス Mコンセプト』だ。
注目のデビューは7月26〜27日にオートポリスで開催されるスーパー耐久第5戦であることが第3戦富士24時間の際のメディア向けブリーフィングの際にも明かされており、TG-RRはオートポリスでの出走に向け「開発チーム一丸となって取り組み、多くの課題を抽出し改善を続けてきました」という。
しかし「止まる、曲がる、走る、それぞれにミッドシップならではの難しさがあり、よりよいクルマに仕上げるために今回の出場を見送ることとなりました」と7月8日、第5戦オートポリスでの欠場が発表されることになった。TOYOTA GAZOO Racingでは、10月25〜26日に岡山国際サーキットで開催される第6戦での出走を目指すという。
なお第5戦オートポリスについては、GRヤリス Mコンセプトは欠場するものの、ニュルブルクリンク24時間を完走したGRヤリスで出場するという。過酷なニュルを戦い抜いた一台だが、7月のオートポリスでの高温多湿など、性質が異なる過酷な環境下での走行を通じて新たな知見を獲得し、今後のクルマづくりに活かしていく。
ユニークな試みが続けられているTG-RRの挑戦では、水素エンジンの際もそうであったように、必ず“生みの苦しみ”がつきまとう。ただ、その先に驚くべき技術が生まれてくるのも特徴だ。まずは第6戦岡山でのGRヤリス Mコンセプトの出走を楽しみにしたいところだ。

