Ksフロンティア KTMカーズ
RACE REPORT
2025 Round.06 OKAYAMA
Qualify : OCTOBER 25 / 1st RACE : OCTOBER 26 / 2nd
■PRACTICE
OCTOBER 23-24 [THU/FRI] FINE / DRY
第4戦SUGOではまさかのアクシデントでレースを失い、ついにライバルの#47 ポルシェにランキング首位の座を明け渡してしまったシンティアム アップル KTM。ST-1クラスは第5戦の開催がなかったことから、約3ヶ月半ほどという長いインターバルが開くことになったが、逆襲を期すべく第6戦の舞台となる岡山国際サーキットに臨んだ。
渡邊信太郎エンジニアは、この第6戦について「絶対に勝たないといけないレースです。2連勝しなければ自力でのチャンピオンが不可能になってしまいますから」とその重要度を語った。
晴天となった走行初日の10月23日(木)は午後1時10分から特別スポーツ走行が2枠設けられたが、シンティアム アップル KTMはいつもどおり走行初日は加藤寛規が走行を担当し、1枠のみを走行したが、#47 ポルシェがベストタイムでは上回ってきた。渡邊エンジニアは「決して簡単ではなさそうですね」と難しい戦いになることを予想した。
10月24日(金)も晴天のもと2回の専有走行が行われたが、この日から井田太陽と高橋一穂が合流。ベストタイムこそ変わらずスピードをみせる#47 ポルシェに先行を許したが、専有走行1回目と2回目の間にアンダー気味の傾向を解消するべくジオメトリ変更にトライ。翌日の公式予選を前に、好フィーリングを得ることができた。
■QUALIFY
OCTOBER 25 [SAT] CLOUDY / DRY
10月25日(土)の予選日は、朝のフリー走行では雨が降ったがすぐに止み、午後1時40分から行われた公式予選はドライコンディションで迎えた。まずAドライバー予選に出走した井田は、1分34秒609を記録するもわずかに#47 ポルシェに及ばず2番手となった。
Bドライバー予選ではライバルがジェントルマンだったこともあり、加藤が1分33秒127を記録しトップにつけることに。シンティアム アップル KTMはST-1クラスのポールポジションを獲得することになった。ただ、その差は決して大きいものではない。決勝に向けて接戦になることが予想された。
「Aドライバー予選では負けてしまいましたし、僕もギリギリまで攻めてあの結果なので、今回はセットアップも含めて今のところ向こうに分があるように感じます」と井田もポールながらあまり表情は明るくない。
Cドライバー予選では雨が降り出すなか高橋が1分40秒181を、Dドライバー予選では吉本が1分46秒294を記録し、決勝に向け準備を進め走行を終えた。
■RACE
OCTOBER 26 [SUN] CLOUDY / DRY
迎えた10月26日(日)の決勝レース。シンティアム アップル KTMが出走するグループ1のレースは午後1時30分からスタートしたが、心配された雨は午前中に行われたグループ2のうちに止み、ドライコンディションで迎えることになった。今回シンティアム アップル KTMのスタートドライバーを務めたのは井田だ。
ライバルの#47 ポルシェは2番手からプロがドライブしスタートしていたが、井田は1周目こそしのいでいったものの、2周目にわずかにコースオフ。#47 ポルシェに先行を許してしまう。とはいえその差は大きなものではなく、井田はしっかりと自分のペースを保ちながら#47 ポルシェを追っていった。
序盤、岡山国際サーキットにはふたたび細かい雨が舞ったり、ストップ車両が発生してのフルコースイエローが入るなど、やや荒れた展開となったグループ1の決勝レースだが、井田は着実に自らのスティントを終えると44周を終えピットイン。第2スティントを高橋に委ねた。対する#47 ポルシェも翌周ピットインし、Aドライバーが乗り込むことに。高橋はそのギャップを50秒〜1分ほどに保ちながらレース中盤戦を進めていくことになった。
高橋は63周まで走行を続けると、ピットインし残り1時間10分の最終スティントを加藤に託した。ここからはさらなる追い上げの時間だ。
85周を終え、#47 ポルシェが最後のピットインを行うと、その差はわずか19秒ほどまでに縮まっていた。十分射程圏内だ。#47 ポルシェの最終スティントを担当したのは、KsフロンティアKTMカーズのドライバーたちも認める速さをもつ若手だが、実は岡山国際サーキットが初走行でもあった。
ただ、#47 ポルシェは着実にペースを保っていき、最後はその差はほとんど変わることなく20.866秒差でフィニッシュ。シンティアム アップル KTMは2位でレースを終えることになった。
この結果、#47 ポルシェに3連勝を許し、チャンピオン争いは非常に厳しい展開となってしまった。残すは最終戦の富士のみ。KsフロンティアKTMカーズは可能性がある限りあきらめることなく挑戦を続ける。
■DRIVER COMMENTS
Taiyo IDA 井田 太陽
「惜しいレースになってしまいました。良いスタートができて、もう少しライバルに対して粘りたかったんですけどね。2コーナーで少しコースアウトして失速してしまって。ペースの差はもともとありましたが、なんとか追いつきたいとこちらも良いペースで走ることはできたと思っています。最終戦でどういう条件が揃えばチャンピオンなのかはこれから計算が必要ですが、最後は良いレースにしたいですね」
Hiroki KATO 加藤 寛規
「コンディションも難しく、走っている全車が大変なレースになりましたが、大きな事故なく終わって良かったですね。自分たちは良かったり悪かったりはありましたが、その上で負けてしまったので完敗だと思います。この岡山国際サーキットはあまりKTMが得意ではないコースでもありましたから。しっかりと気持ちを切り替えて、最終戦またみんなで頑張りたいと思っています」
Kazuho TAKAHASHI 高橋 一穂
「なかなか難しいレースになってしまいましたね。自分のスティントの途中は雨も降ってきたりして、雨が強くなるのか、弱くなるのかも分からなかったですし、スクリーンに雨粒がつくと少しペースが厳しくなってしまいました。今回の結果でチャンピオンの可能性はかなり難しくなってしまいましたし、他力本願になってしまうかもしれませんが、なんとかあきらめずやっていくしかないですね」
Hiroki YOSHIMOTO 吉本 大樹
「今回は予選の3周のみの走行で、コーチングに専念することになりましたが、高橋選手も井田選手も安定してペース良く走ることができていたと思いますし、チームとして何かミスがあったわけでもないので、今回は素直に完敗かな、と思っています。最終戦の富士は自分もドライブすることになりますが、チャンピオンの可能性はまだゼロじゃないですからね。ミスなく良いレースをしてあきらめずやりたいです」



