ENEOS スーパー耐久シリーズ2025 Empowered by BRIDGESTONE
第6戦スーパー耐久 in 岡山国際サーキット
開催地:岡山国際サーキット(岡山県)/3.703km

10月25日(予選)
天候:曇り コースコンディション:ドライ 観客数:3,000人

10月26日(決勝)
天候:曇り一時雨 コースコンディション:ドライ 一時ウエット 観客数:5,500人

序盤にトップを快走するも雨にペースを鈍らされ……。それでもしぶとく2位でフィニッシュ

 2025年もaprは、全7戦で争われるスーパー耐久シリーズに、FIA-GT3で競われるST-Xクラスに臨む。DENSO LEXUS RC F GT3をドライブするのは永井宏明選手と蒲生尚弥選手、小林利徠斗選手、そして嵯峨宏紀選手。シリーズ第6戦の舞台は岡山国際サーキットで、3時間での戦いとなる『SUPER TAIKYU RACE in OKAYAMA』に臨む。

 前回の舞台、オートポリスは本来、相性がいいとは言い難いサーキットだった。その上、永井選手が家族の不幸で、第4戦に続いて出場できず。再び鵜飼龍太選手を起用することになったものの、エントリー後の急な交代とあって、レース中にドライビングスルーを科せられることに。もはや大苦戦は必至だと思われていた。

 しかし、そんな予想は大きく覆される。鵜飼選手と蒲生選手の力走で今季初のポールポジションを奪い、決勝でもトップを走行。終盤になって一台の先行を許すも、先に触れた相性を思えば、2位でゴールでも満足のいく結果のはずだった。ところが、ゴール間際にトップが他クラスの車両と接触し、30秒のタイムペナルティが科せられたことで大逆転!今季初優勝を飾り、ランキングでも2位に浮上した。まさに運も味方につけたわけだが、それも実力のうち。勢いを保ったまま、今回も激走を見せてくれることを期待したい。

公式予選 10月25日(土)14:10〜

 永井選手にとって2戦ぶりのレースで、実に4か月以上のブランクがあるため、DENSO LEXUS RC F GT3が走り始めた金曜日の専有走行は、まずは蒲生選手によるセットアップから。ドライコンディションが保たれたことで順調に作業、走行が進んだことで1分33秒274をマーク。そこからは永井選手が1回のピットを挟み、じっくり走り込んで1分32秒944を記すまでに。その後、蒲生選手が再び乗り込み、1分31秒561にまで短縮し、3番手につける。

 午後からの専有走行2回目も、蒲生選手から走行を開始。セットの微調整を繰り返し、1分32秒061をマークした後、永井選手、小林選手、嵯峨選手の順で走行し、しっかり予選に備えることとなった。

 土曜日、予選前の最終チェックとなるはずだったフリー走行は、グループ2の走行中に雨が降り出し、路面を濡らしてしまう。DENSO LEXUS RC F GT3は永井選手から走り始め、1分51秒389をマーク。蒲生選手に交代した後、雨はやんで路面状態をわずかながらも向上させたこともあり、終了間際に1分44秒935を記録し、トップからコンマ1秒と遅れぬ3番手につけていた。

 そして迎えた予選は、路面もほぼ乾いていて全車ドライタイヤでの走行に。気温は20度を切り、路面温度も23度と低いため、Aドライバー予選に臨んだ永井選手は、じっくりウォームアップを行っていく。本格的なアタックは計測4周目から。すると1分31秒086をマークしてトップに立ち、続いてのアタックでは1分30秒807、1分30秒736と好タイムを連発。早々にピットに戻るも、その直後に1台の逆転を許し、2番手となってしまう。

 続いてBドライバー予選に挑んだ蒲生選手も、1周ごとタイムを縮めつつ、アタックは計測4周目から開始。1分29秒184を叩き出して2番手につけ、次の周は1分29秒285ながら、ポジションは変わらず。果たして永井選手との合算タイムでは? コンマ116秒足りず、2番手となるも、2戦連続でフロントロウを確保。DENSO LEXUS RC F GT3の2連勝も夢ではなくなった。この後には、雨も降ってきてCドライバー予選で小林選手、Dドライバー予選で嵯峨選手による、決勝に向けたチェック走行が行われた。

永井宏明選手

「ウォームアップは他の人より長く行いました。フロントタイヤが温まりにくい車なので、多めに周回を重ねました。結果的には良かったです。決勝のペースがどうなるかまだ不安ですが、フロントロウからのスタートなので、その良さを活かして走りたいです。久しぶりのRC Fでのレースですが、そのあたりはまったく問題なかったです」

蒲生尚弥選手

「セットアップも含めて、流れとしてはいいと思いますので、全然チャンスあると思います。アタック自体もマシンバランスも出てましたし良かったです。僕の時、最後チェッカー受けた時に雨がパラっと来た感じでしたが、走りに支障ありませんでした。フロントロウからのスタートですので表彰台を目指して決勝も頑張ります」

小林利徠斗選手

「最初にスクラブして、戻ってきて中古のタイヤに変えて、クルマのチェックをしていました。決勝を想定して車の確認をしましたけど、とりあえず悪くなさそうなので、予選の結果はいい方向に向かっていましたから、決勝でもまた同じように行ければ、と思います。明日も頑張ります」

嵯峨宏紀選手

「雨が降ってきて、グレー路面だったんですが、ちょっと大事を取ってというか、リスクを負うこともないので、あえてレインタイヤで行ったんですけど、思いのほか路面が乾いてきている割には、レインタイヤでも走れているなという感じがあったので、明日の戦略を取る上でのヒントになっていれば良かったかなと。車のバランス的には、ドライと特には変わらなかったので。明日の天気次第で、どういう作戦を取るかという、引き出しを作れたのは良かったと思います」

金曽裕人監督

「Aドラ、Bドラ、ふたりとも及第点、問題なし。予選は3番手に行けたらいいな、と思っていたので。RC Fとして、このコースでは表彰台の一角に行ければいいな、というところですから、上出来でしょう。あわよくばポールというところでしたが、そこはおこがましい(苦笑)。やっぱり夏(富士24時間)に(阪口)晴南を乗せたことで、セットアップや走らせ方にもすごくプラスに働いているという感じですね。決勝に向けては表彰台の一角に入れればOK。それによって最終戦にチャンピオン争いをもつれ込ませればOK。そこを目指します」

DENSO LEXUS RC F GT3
2025スーパー耐久第6戦岡山 DENSO LEXUS RC F GT3(永井宏明/蒲生尚弥/小林利徠斗/嵯峨宏紀)

決勝レース 10月26日(日)13:30~

 今回は2グループ開催の3時間レース。2度のピットストップが義務づけられている。これまでの2グループ開催と異なるのは、決勝2レースを日曜日に行うこと。ST-Xクラスが属するグループ1は午後からのスタートとなる。午前のグループ1は序盤がウエットコンディションだったため、セーフティカースタートとなったが、雨は間もなくやんで中盤からはドライタイヤが履けるように。グループ1の決勝は路面の一部にウエットパッチを残してはいたものの、全車ドライタイヤを装着して臨んでいた。

 予選2番手につけたDENSO LEXUS RC F GT3のスタート担当は小林選手。絶賛売り出し中の若手ドライバーは、オープニングラップのバックストレートで早くもトップに浮上し、その後も正確にペースを刻み続けて、後続を引き離していく。ほぼ30秒のリードを築き、スタートから1時間5分経過した40周目に、永井選手にトップのままバトンを渡す。

 永井選手もコンスタントに周回を重ねるが、いかんせん追いかけてくるのはプロドライバー。徐々に差は詰まっていき、66周目のバックストレートでトップを明け渡してしまう。しかも、永井選手のスティントでは雨も降ってきた。トップを奪った車両は2回目のドライバー交代と合わせ、ウエットタイヤに交換したほどだったが、やがて雨はやんでしまったため、これはギャンブル失敗となる。その一方で、リヤエンジンのポルシェが、まさに“恵みの雨”として一気に差を詰めてきた。そしてゴールまで1時間を切った76周目、ついにトップを明け渡してしまう。

 それから2周後、Aドライバーに義務づけられた1時間をきっちり走り抜いた永井選手から、蒲生選手にバトンタッチ。雨はまだ弱く降っていたが、迷うことなくドライタイヤに交換する。83周目にトップのポルシェは最後のピットストップを終えても、ポジションをキープ。やがて雨はやみ、DENSO LEXUS RC F GT3は、もはや後続のプレッシャーを感じずに済む位置にはいたものの、蒲生選手を持ってしても、追い上げもままならず2位でフィニッシュ。

 結果的にランキングは、トップとの差はわずか8ポイントとなった。ただし、有効ポイントのこともあり条件は複雑になるが、最終戦で目指すのは優勝しかない! その最終戦は、11月15〜16日に富士スピードウェイを舞台とする。誓うは、有終の美を飾ることだ。

永井宏明選手

「雨が降ってきてからのスリックタイヤではペース的にはポルシェが速かったので、さすがポルシェだと思いました。僕たちも、精いっぱい頑張りましたが天候に翻弄されてしまいました。当初の目標が表彰台の一角だったので結果は良かったと思います。RC Fでチャンピオン獲りたいですね!」

蒲生尚弥選手

「最終戦まで一応、チャンピオンの権利はあると思うので、今回は優勝できませんでしたが、最終戦でまた頑張ればいいので。濡れた路面の時が、ちょっとペースが悪くドライビングもシビアでした。最終戦はドライビングでもリカバリー出来るように全力尽くします」

小林利徠斗選手

「特に大きなミスはなく、完走できましたし、RC Fのポテンシャル的に、ちょっと苦しいところもあったので、内容的にはいいレースだったじゃないかと思いますね。最終戦も、なるべく最善を尽くします」

嵯峨宏紀選手

「RC Fが……っていうより、ポルシェが速かったですね。これでポイント重ねたけど、タイトル争いは簡単な状況ではないと理解はしています。やれるだけのことをやって富士に臨んで、最後まで全力尽くします。チームの士気は高い中でやれているので、自分の仕事をきっちりして、チャンピオン獲れたらいいと思います」

金曽裕人監督

「目標どおり『表彰台乗れれば』と、しっかりした、きっちりしたレースで、今までの岡山サーキットの中ではベストポジションだったというのがあって。本当だったらファーストスティントを見て、『これ、優勝もあるんじゃないかな』って思いましたが、やっぱりポツポツ雨が降ってきて、グレー路面になり始めると、どうしてもポルシェとの差が出てしまいました。“雨のポルシェ”って言われるぐらい、ああいうハードコンディションになった時のメカニカル的な速さはすごい。僕らが持っている中で、ドライバーの持てる技の中で、ここに来られているから満足です」

「最終戦にチャンピオンの権利を持っていけますが、ちょっと点数はポルシェに有利になってしまったので、僕らにしてみれば『勝ちに行くぞ、富士!』、富士はRC Fは得意ですから、最終戦、気合を入れてレースを面白くしようと思っています。寒くて、晴れることを望んでいます」

DENSO LEXUS RC F GT3
2025スーパー耐久第6戦岡山 DENSO LEXUS RC F GT3(永井宏明/蒲生尚弥/小林利徠斗/嵯峨宏紀)

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