激しい攻防を見せた若手ふたりのトップ争い、その間隙を突いて菱井将文が2位を獲得
開催場所:富士スピードウェイ
開催日:2021年5月8~9日
エキスパートクラスは、若手ドライバーたちの熱い戦いが繰り広げられる。プロフェッショナルクラスへのステップアップを目指す、さらにはその先の本格的なプロドライバーを目指す、といったドライバーたちの舞台となっているのだ。
今回の注目は、昨年シリーズ2位で、今シーズンはチャンピオンを狙っている#556呉良亮(ブリヂストン)。富士は単なるホームコースというだけでなく、仕事で数多くの時間を過ごしている。だからこそ、今回のレースに賭ける意気込みは強かった。エントリー台数は29台。半数近くがブリヂストンタイヤを装着している。
●予選
しかし、この週末、ピカイチの速さを見せていたのは#522地頭所光(ブリヂストン)だった。すべてのドライバーが彼をターゲットにしていたことは間違いない。
そして予選、その地頭所を抑え、一発でトップタイムをもぎ取ったのは呉だった。さまざまなコンディションの中でテストを繰り返し、狙っていた初のポールポジションを手にした。
2番手には地頭所、3番手は#703花里祐弥(ブリヂストン)が入った。そして、そうした若手ドライバーたちの壁ともいえるベテラン#38神谷裕幸(DL)が4番手に続いた。ブリヂストン装着勢は、トップ10に5台が入った。
●決勝
レースペースに自信を持っていた地頭所がどのタイミングで仕掛け、オーバーテイクするのか? それを呉は防ぎ切ることができるのか? そうしたレース前の予想が、現実にコースの上で展開された。
スタートではふたりの間隔が維持され、呉がトップで1コーナーへ。その後ろでは、神谷が3番手に上がった。レース前半を抑え気味にし、後半勝負とした地頭所は4周目からジリジリと差を詰めてテール・トゥ・ノーズに。そして7周目、シフトミスをした呉を無理なくオーバーテイク。だが呉も引き離されることなくバトルは続き、8周目の1コーナーでトップを奪い返す。
そのままの超接近戦はファイナルラップまで続き、最終コーナー、イン側のラインを選択した地頭所。しかしマシンをスライドさせてしまい、アウト側に居た呉に接触。呉選手は大きくテールスライドさせてコースオフ、4番手へとドロップした。
地頭所はトップでチェッカーフラッグを受けたものの、レース後の審議で30秒のペナルティを与えられて21番手へ。優勝は神谷、2位に#380菱井将文(ブリヂストン)、そして3位に呉ということになった。4位となった花里を含め、ブリヂストン装着勢はトップ10に3台となった。
●クラブマンシリーズ・エキスパートクラスで2位を獲得した#380菱井将文
「予選では新品タイヤを使い切れなくて4周目にベストが出たという感じになり、6番手。ただロングのペースには自信があったので、決勝では追いあげていけると思っていたんです」
「スタートで5番手に上がって、先頭集団についていったんです。ファイナルラップに4番手に上がって、最終コーナーの進入で並びかけてみたら、トップ2台が接触して、3番手に上がることができました」
タイヤはペースが抑えられていたこともあって、最後までペースを落とさず走り切ることができました」
※レース後の審議によって2位へと繰り上がった。
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