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国内レース他 ニュース

投稿日: 2021.06.02 23:47

MP Racing 2021スーパー耐久第3戦富士24時間 レースレポート

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国内レース他 | MP Racing 2021スーパー耐久第3戦富士24時間 レースレポート

曇り空に包まれているものの、ドライコンディションで迎えた24H決勝。
フォーメーションラップを終え、15時00分45秒にいよいよ過酷な24Hのスタートが切られた。
MP Racingのスタートドライバーは松田が担当。
松田はスタートを決め、ポジションを2つ上げて3位で1コーナーに進入。その後果敢に攻めてトップに立つ。

MP Racing GT-R(JOE SHINDO/柴田優作/影山正美/松田次生/元嶋佑弥/井上恵一)
スーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook 第3戦 NAPAC富士SUPER TEC 24時間レース スタートの様子

スプリントレースさながらの激しい序盤の首位争いを制し、43周を終えた松田は最初のスティントを終えてピットイン。
ピットストップを終えて復帰したMP Racingの第2スティントはJOEがドライブ。
すでに速度差の違う他クラスが入り乱れているコース上でJOEは#999 NSXとのバトルを展開する。
ST-Xクラスはジェントルマン規定としてAドライバーが24時間のうち最低3時間36分を運転しなければならないため、まずこのスティントで1時間28分のドライブを終えた。
17時45分、JOEがピットイン。この頃には曇り空ということもあり、周いはかなり暗くなってきた。次のスティントは影山が担当。レースはまもなく3時間を経過しようとしていた。

MP Racing GT-R(JOE SHINDO/柴田優作/影山正美/松田次生/元嶋佑弥/井上恵一)
MP Racing GT-R(JOE SHINDO/柴田優作/影山正美/松田次生/元嶋佑弥/井上恵一)

影山はタイヤと燃料消費のマネジメントを巧みに行いつつ、1分43〜44秒のラップで周回。
途中ピットインを挟み連続スティントを担当した。
第3スティント後半、時刻は18時35分を迎えここからナイトセッションに突入。ライトによる光の帯が幻想的な情景を織りなす反面、夜間の高速度域でのドライブはドライバーにとって過酷な時間帯へと突入した。

MP Racing GT-R(JOE SHINDO/柴田優作/影山正美/松田次生/元嶋佑弥/井上恵一)
MP Racing GT-R(JOE SHINDO/柴田優作/影山正美/松田次生/元嶋佑弥/井上恵一)

20時22分。連続スティントを終えた影山がピットイン。柴田に交代した。
柴田も連続スティントを担当。221周を終えてタイヤ交換と9種を行いコースに復帰。
ここまでは順調に進んでいたMP Racingだったが、248周目にまさかの出来事が起こってしまう。300Rを走行中、バックマーカーを交わそうと進路を変更した柴田。死角にいたST3クラスのマシンに接触してしまう。

姿勢を崩した柴田はスピン。高速コーナーであったことも災いし、かなりの勢いでウォールにヒットしてしまう。
柴田に大きな怪我がなかったことは幸いであったが、このクラッシュによりMP Racing GT-Rは大きなダメージを負った。

ダンロップコーナーでアクシデントに見舞われた9号車 MP Racing GT-R
ダンロップコーナーでアクシデントに見舞われた9号車 MP Racing GT-R

富士24Hはレース中に救済措置としてコース上で動けなくなった場合、車検場横に設置されたリペアエリアに送られての修復が可能となっている。
リペアエリアに送られたMP Racing GT-Rはレース続行が不可能と判断されてもおかしくないほどのダメージを負っていた。
しかしMP Racingのメカニックはすぐに状況を判断し、まずは自走でピットガレージまで戻れるまでの応急作業を行った。
リペアエリアでの取り急ぎのサスペンションと駆動系の部品を交換。懸命の作業は約3時間に及んだ。
応急処置を終え、ピットガレージへと戻ったMP Racing GT-Rはここから本格的な修復作業へと移った。

リペアエリアで修理が行われている9号車 MP Racing GT-R
リペアエリアで修理が行われている9号車 MP Racing GT-R

修復作業は大規模なものとなったが、チーム全員がレースへの復帰を諦めることなく懸命に作業を進めていく。
クラッシュから約8時間。富士スピードウェイは既に夜が明けて朝を迎えていた。
6時17分、MP Racing GT-Rは修復作業を完了してレースに復帰。
柴田によるチェック走行が完了した後、ドライバーを元嶋に交代する。

今週末が初のMP Racing GT-Rドライブとなる元嶋、初のロングランながら2スティント連続を確実かつ安定して周回して自身の役目を果たした。
8時50分、元嶋も松田もレースラップは非常に良く、順調に見えた矢先、MP Racing GT-Rは駆動がかからないというトラブルによりダンロップコーナーでマシンをコースサイドに止める。

再びリペアエリアに送られたMP Racing GT-R。右リヤのサスペンションを構成するボルトが折れてしまっていた。
トラブル箇所の迅速な判断と処置により、リペアエリアでの作業はそれほど時間を要せず、作業を完了したMP Racing GT-Rはピットガレージに戻ってきた。
リペアエリアでの作業も含めて約1時間45分の作業を終え、MP Racing GT-Rはサイドレースに復帰。柴田がチェック走行を担当し、その後JOEに交代する。

その後はJOE〜柴田〜JOEと特に問題もなく残り時間を走りきり、15時01分10秒に24時間レースの終わりを告げるチェッカーフラッグを受けた。
周回数不足により順位認定はされなかったが、チーム一丸となって大きな苦難を乗り越えたMP Racingの2021年第3戦はこれで終了した。

今回は我々にとって非常に厳しい24Hとなってしまいました。
体制を整えても簡単にうまく胃じゃないことは分かっていましたが今回改めて思い知らされました。
しかし大きな困難にあっても“最後まで諦めない”という気持ちを持って、チーム全員がレース終了まで言葉に出さずとも向かっていたこと。
この事を強く再認識できたことは我々にとっても非常に大切なことであります。
次戦よりシリーズ後半戦になりますが、毎戦全力で勝利を目指し、過程を価値のあるものとなるよう、これまで以上に頑張って参ります。
引き続き皆様のご声援、ご支援を賜りますようよろしくお願いいたします。

MP Racing GT-R(JOE SHINDO/柴田優作/影山正美/松田次生/元嶋佑弥/井上恵一)
MP Racing GT-R(JOE SHINDO/柴田優作/影山正美/松田次生/元嶋佑弥/井上恵一)


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