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国内レース他 ニュース

投稿日: 2022.04.02 11:00
更新日: 2022.04.07 01:01

Porsche Team EBI WAIMARAMA 2022スーパー耐久第1戦鈴鹿 レースレポート

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国内レース他 | Porsche Team EBI WAIMARAMA 2022スーパー耐久第1戦鈴鹿 レースレポート

Porsche Team EBI WAIMARAMA
Super Taikyu RACE REPORT

2022 Round.01  SUZUKA

ENEOSスーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook 第1戦 鈴鹿サーキット
2022年3月19日(土)〜3月20日(日) 決勝レース結果:4位

特別スポーツ走行/専有走行
3月17日(木) 特別スポーツ走行 天候:晴れ 路面:ドライ
3月18日(金)特別スポーツ走行/専有走行1回目/2回目 天候:雨 路面:ウエット

 2021年に結成され、スーパー耐久シリーズに挑戦を開始したPorsche Team EBI WAIMARAMA。新たなシーズンとなる2022年は着実なスキルを身につけてきたKIZUNA、絶対的なスピードを誇る千代勝正、豊富な経験をもつ山野直也、そして若き大草りきという4人の体制をそのままに、新たにバイザッハが作り上げた新GT4カー、ポルシェ718ケイマンGT4 RS Clubsportを投入することになった。

 ただ、チームは2月23日に富士スピードウェイで行われた公式テストに車両を投入したものの、その前日のスポーツ走行でのシェイクダウンで、一般参加車にヒットされクラッシュを喫してしまった。やむなくチームは第1戦鈴鹿に間に合わせるべく、板金修理を手配。ただカラーリングは間に合わず、ホワイトのボディにWAIMARAMA、EBI GROUPの各店舗のロゴを記す“超暫定仕様”で臨むことになった。

 チーム全体の努力でなんとか準備を整え、迎えた第1戦鈴鹿は3月18日(木)の特別スポーツ走行から始まった。新たにカップカーのエンジンを積み、空力も改善された718ケイマンGT4 RS Clubsportの実力をドライバーたちが体感。特に中高速コーナーでのパフォーマンスアップやトルクの良さが感じられた。

 2時間をドライで走ることができた初日に続き、3月19日(金)も走行を重ねたかったが、朝から鈴鹿サーキットは雨模様。予選日、決勝日ともに晴れの天気予報が出ていたことから、この日は専有走行1回目で8周を走ったのみで、走行を切り上げた。

フリー走行/公式予選
3月19日(土) フリー走行 天候:晴れ 路面:ドライ
3月19日(土) 公式予選 天候:晴れ 路面:ドライ

 迎えた3月19日(土)の予選日は雲があるものの晴天。午前10時40分からのフリー走行で千代とKIZUNAがドライブし2番手につけ、予選に向けた準備を進め、午後2時からの予選に挑んだ。まずAドライバー予選に挑んだKIZUNAは、7周目に2分16秒710をマークする。

 続くBドライバー予選では千代が魅せる。レコード更新となる2分10秒859をマークし、クラス2番手へ。合算でPorsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4RSは6番手につけてみせた。

 続くCドライバー予選では、山野が3周目に2分14秒663をマークしさらに8周をこなし決勝に向けて準備を進める。

 最後はDドライバー予選で大草が2分14秒080をマーク。山野に続いて9周を走り決勝セットを進め、きっちりと予選を締めくくった。

決勝レース
3月20日(日) 決勝 天候:晴れ 路面:ドライ
 3月20日(日)はいよいよ決勝日。朝から晴天に恵まれるなか、午前11時40分から5時間の決勝レースがスタートした。Porsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4RSのスタートドライバーを務めたのは千代だ。スタート後から旧式の#19 718ケイマンとバトルを展開していくが、序盤にST-5クラスのアクシデントによりフルコースイエロー(FCY)が導入されるなど、荒れた展開となっていく。

 そんななか千代は冷静に序盤のレース運びを進め、少しずつポジションもアップしていく。レース序盤にはさらにもう一度FCYが入っているが、千代は40周というロングスティントを敢行する。ニューマシンとなったことでトルクの向上、さらに空力の改善によりタイヤのもちも良くなったことによる恩恵を存分に感じつつ、しっかりとPorsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4RSをピットに戻し、KIZUNAに交代した。

 代わったKIZUNAにとっては今季初のスーパー耐久でのレースだが、鈴鹿は非常にコース幅も狭く、50台もの車両が参戦するなかで、クラス違いの車両を抜くのは非常に難しい。一歩間違えてしまうとクラッシュに至ってしまう。

 このレースウイークまでテストの時間もほとんどとれていないなか、KIZUNAは非常に慎重に、かつ高いペースでラップを重ね、26周の大役をこなすとピットイン。この時点でやや順位は下がっていたが、まだまだ表彰台を見据える順位だ。

 代わった山野は、これまでもさまざまなポルシェのレーシングカーを乗り継いでいるが、前年までから大きくパフォーマンスが上がっていることを実感しながらラップを重ねる。

 特に、カップカーと同じエンジンとなったことでのパワー感の向上、さらに他クラス車両をかわす際に、トルクが上がったことでの抜きやすさが格段に違う。中高速の速さを活かしつつ快調にラップを重ね、順位も挽回。山野はしっかりスティントをこなすと、こちらも26周でピットインし、アンカーの大草にステアリングを託した。

 長い5時間のレースで、大草のスティントでは4番手で順位も固まりつつあったが、他クラスではアクシデント等による順位変動も起きていた。チェッカーまでレースは何が起きるかは分からない。表彰台を目指し大草はプッシュを続け、96周目には2分12秒920というファステストラップをマークしてみせる。ただ、順位は変わらずPorsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4RSは4位でフィニッシュとなった。

 表彰台にこそ届かなかったものの、公式テスト前のクラッシュからタイトスケジュールのなかで車両を間に合わせ、この第1戦でしっかりとポイントも得つつ、クルマを知ることができた。全員が仕事を完遂し、次戦に繋がる5時間レースに、チームは充実の表情を浮かべた。

Porsche Team EBI WAIMARAMA 2022スーパー耐久第1戦鈴鹿 レースレポート
Porsche Team EBI WAIMARAMA 2022スーパー耐久第1戦鈴鹿 レースレポート

DRIVER COMMENTS
KIZUNA キズナ

「今年の開幕戦ということもあり、なかなか思うようなレース運びができませんでしたが、淡々とレースを進めることができました。ST-5クラスの台数が多いことからオーバーテイクが大変でしたが、そこは経験不足でタイムの落ちがあったのでそこは反省です。とはいえ自分としては、開幕でひさびさのレースを戦うなかでしっかり走りきることができたと思いますし、次に繋がるようなレースができたと思います。次戦の富士24時間でしっかり優勝できるように頑張っていきたいですね」

KATSUMASA CHIYO 千代 勝正
「今季ニューマシンとなりましたが、予選、決勝を通じてクルマのポテンシャルアップを確認することができたレースだったと思います。決勝ではタイヤのタレも少なく、ロングランのペースも良かったので、非常に良い内容だったと思いますね。今回、チームの皆さんが頑張ってくれてクルマを間に合わせてくれて、みんながミスなくしっかりとレースを戦うことができたことが最も大きなことだったのではないでしょうか。次戦の富士24時間に向けて良いシミュレーションができたと思いますし、次戦に繋がる一戦になりました」

NAOYA YAMANO 山野 直也
「パーツの納期など非常に時間がタイトななかでクルマを間に合わせてくれたメカニックの皆、ポルシェのカスタマーレーシング担当など関係各所に感謝したいです。なんとか迎えることができたレースウイークでしたが、金曜が荒天でドライのテストがなかなかできず、予選を通じてセットを進め、うまく良いところが見つかったと思います。昨年に比べてもパフォーマンスは圧倒的で、鈴鹿だからこそ得られたものもあったと思います。4位はある意味目標でもあったので、富士を見据え上々の結果を残せて良かったと思います」

RIKI OKUSA 大草 りき
「事前にテストがぜんぜんできなかったので不安が多いレースウイークではありましたが、レース中に動きなどさまざまなことを理解することができました。燃料を積んで、ニュータイヤを履いた状態なども良いタイムが出ましたし、旧型に比べてもポテンシャルは間違いなくあると思っています。次戦の富士24時間に向けて貴重なデータを得ることができたと思いますし、今回は4位ということでウエイトを積まずに大きなレースに迎えることをプラスにとらえています」


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