レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

国内レース他 ニュース

投稿日: 2022.09.09 12:10

iCraft 2022スーパー耐久第5戦もてぎ レースレポート

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


国内レース他 | iCraft 2022スーパー耐久第5戦もてぎ レースレポート

MEDIAINFORMATION
2022年9月吉日

ENEOSスーパー耐久シリーズ 2022 Powered by Hankook 第5戦『もてぎスーパー耐久5Hours Race』
9月3〜4日モビリティリゾートもてぎ(栃木県)
予選:曇り/ドライ 入場者数:7,000人
決勝:曇りのち晴れ/ドライ 入場者数:10,000人
OHLINS Roadster NATS(マツダロードスターND5RC)
山野哲也/金井亮忠/野島俊哉

値千金の2位入賞!ランキングも0.5ポイント差の2位に急浮上

 スーパー耐久シリーズで3シーズン目を迎えたiCraft(猪爪俊之:監督)は、引き続きST-5クラスにマツダロードスター『OHLINS Roadster NATS』で、日本自動車大学校(NATS)の支援を受けて参戦する。学生たちがマシンを製作し、メカニックを務めるのも従来どおりである。

 ドライバーには新たに山野哲也をレギュラーとして起用し、NATS講師も務める金井亮忠とのWエース体制を構築。さらにロードスターパーティレースIIIで実績を残してきた野島俊哉との3人体制での参戦となる。

 第5戦は2カ月ぶりのレースである。現在、シリーズランキングは4位ながら、トップとの差は20ポイント。3戦を残しているから逆転は不可能ではない。ウェイトハンディは40kgとなったが、トップと2位、合計3台のマシンがウェイトを背負っている。シリーズ第5戦の舞台は、モビリティリゾートもてぎ。山野の地元で凱旋レース、大暴れはもはや必至である!

2022スーパー耐久第5戦もてぎ OHLINS Roadster NATS(山野哲也/金井亮忠/野島俊哉)
2022スーパー耐久第5戦もてぎ OHLINS Roadster NATS(山野哲也/金井亮忠/野島俊哉)

公式予選

 2カ月のインターバルの間に、引き続きマシンはしっかりメンテナンスされて、万全の体制でもてぎ入りすることとなった。レースウィークの始まりこそ雨に見舞われたが、金曜日午前のウェット走行ではトップタイムを記録。金曜日午後の専有走行の途中からようやくドライでの走行が可能になる。

 ただ、この時トップは2分19秒台に入れていたのに対し、『OHLINS Roadster NATS』は2分22秒446がベスト。これはウエイトハンデが効いているのかと思いきや、山野曰く「もてぎで40kg積んで走るのは初めてだけど、思いのほか影響が少ないと感じています。でも、このストップ&ゴーの続くコースは、もともとFFが有利なんです。」と。実際、上位はFF勢で占められていた。

 土曜日からは天気の心配はせずに済むようになり、午前に行われたウォームアップ走行では2分22秒421をマーク。これがターゲットとなるが、予選はグループ2だけの走行とあって、クリアラップも取りやすくタイムはさらに短縮されるのは間違いない。午後からの予選は、まさにそのとおりの展開となった。

 Aドライバー予選に臨んだ山野は、計測2周目から早くもアタックを開始し、いきなり2分21秒087をマーク。5番手ながらロードスター勢の最上位だ。

 続くBドライバー予選でも、金井は計測2周目からアタックを開始。2分20秒692と、いきなり山野をも上回るタイムを記録したことから、早々に走行を終了した。4番手につけたものの、合算タイムでは5番手で、やはりロードスター勢の最上位。ポイント差を詰めるには、絶好の状況だ。

 なお、この後に行われたCドライバー予選では、ユーズドタイヤで走った野島が1分23秒746をマークした。このあたりで決勝をコンスタントに走行すれば、まだまだ順位を上げられるはずだ。

山野哲也
「5番手は想定よりもベターな順位。ロードスター勢の中で1番だったことは、サクセスウェイトを積載していることを考慮すれば、このチームの持っている実力がしっかりと出た予選だったと思っています。決勝は僕らとしてはジワジワ系で行きます。5時間レースでは、特に前半は燃費も考慮しなければいけません。半分終わったところから、ダッシュをかけようかと。その後に順位が上がるか下がるかは、まわりの状況次第。僕らの作戦は“ジワジワ作戦”です(笑)」

金井亮忠
「今回はハンディウエイトが40kgということで、かなり厳しい部分がありますが、その中でも走るごとにセットアップが進んでクルマの動きもよくなっています。予選でもこのウェイトの状態でロードスター勢のトップを取れたことが、その証かなと思います。一発の速さはないですが、決勝でもベストを尽くし安定した走りでトップを目指します」

2022スーパー耐久第5戦もてぎ OHLINS Roadster NATS(山野哲也/金井亮忠/野島俊哉)
2022スーパー耐久第5戦もてぎ OHLINS Roadster NATS(山野哲也/金井亮忠/野島俊哉)

決勝レース

 今回のレースは5時間で争われる。日曜日の朝にフリー走行がなく、最終確認を行いたいところだったが、それは全車に一緒。ここからはチームやドライバーの経験が、大きくモノを言うはずだ。ひとつ気になるのは、土曜日まで涼しいぐらいだったのが、汗ばむほど温度が上昇していたことだった。

 今回もスタートを担当したのは金井。まずはポジションキープからレースを開始し、一列縦隊のまま周回を重ねていく。10周を過ぎたあたりから、トップグループからは離されてしまうが、有視界には留めたままあくまで燃費重視の走行を心がけたこともあり、やがて8番手にまで順位を落とすも、30周目を過ぎたあたりから最初の給油を行う車両が現れる中、金井は40周目まで、時間にして1時間38分走り続けて、ようやく山野にバトンタッチ。コースに戻ると6番手に順位を戻す。

 このあたりは、まだまだ燃費走行モード。それでも4番手で58周目に、野島にバトンを託す。今回、野島は2スティント連続で走行、75周目に給油だけが行われる。そして、いよいよプッシュの指示が。野島はマツダ2を駆る佐々木孝太選手と激しいバトルを繰り広げ、抜かれたら抜き返すという、一歩も引かぬ好走を見せていた。

 残り1時間20分となった87周目からは、再び山野が走行。しかも、その直後に2番手を走行していたデミオ・ディーゼルが、マシントラブルで順位を後退。ポイント差を一気に詰めるチャンスが訪れた!そればかりか、山野は2番手にまで順位を上げ、残り30分を切った108周目に、再び給油だけを行ってロスを最小限にし、そのままポジションキープした。その直後には、ランキング2位だったロードスターが、コース脇でストップして後退。またもやランキング上昇のチャンス到来だ。その後続を一切寄せつけることなく山野は2位でゴール。惜しくもランキングトップ浮上はならなかったものの、その差は0.5ポイント。もてぎラウンド終了時点で上位4チームが4ポイント差で並ぶ大接戦となった。

 シリーズ第6戦は岡山国際サーキットで、10月15~16日に開催される。得意とする岡山国際サーキットで、『OHLINS Roadster NATS』の活躍を、引き続きご期待いただきたい。

2022スーパー耐久第5戦もてぎ OHLINS Roadster NATS(山野哲也/金井亮忠/野島俊哉)
2022スーパー耐久第5戦もてぎ OHLINS Roadster NATS(山野哲也/金井亮忠/野島俊哉)

山野哲也
「作戦的には、間違いなく成功だったと思います。金井は予選も速かったし、決勝ではマシンをいたわりつつ、燃費を稼いでくれた。予定外のことは、野島から山野に代わるタイミングが早かったというのと、本来タイヤは2本交換の予定だったんですが、4本交換にしたんです。“タイヤがキツイ”という野島のコメントを参考にしました。最後までペース落ちないで走れたから、むしろよかったと思っています。この調子で岡山もしっかりと上位につけ、最後の鈴鹿で笑う。いいストーリーが見えてきました」

金井亮忠
「前回のレース同様、僕のスティントではしっかりと燃費を稼ぐということでペースを上げられないもどかしさはありましたが、ガソリンをしっかり残すことができたので自分の任務は果たせたと思います。今回はかなり価値の高い2位ですね! 学生たちは前回とは違うポジションをそれぞれが担当しましたが、その中でもしっかりとミスなく作業をこなしてくれたので感謝していますし、学生たちも大きな自信を付けることができたと思います」

野島俊哉
「僕がバトンを受け継いだ段階では、まだ燃費を意識して走っていこうという状況だったんですが、金井さんのおかげで、プッシュのタイミングが早められました。スプラッシュしてからは、104号車の佐々木選手とバトルを長く続けましたが、引き継いでいたタイヤがきつかったので、予定より若干ピットインが早くなりました。富士を落としたというのが本当に痛いな、という思いはありますが、今日獲れた2位というのは、本当に心の底から嬉しいですね」

猪爪俊之監督
「今回の2位は優勝に値する2位でした。まさかシリーズ上位の2台が続けてトラブルを抱えるとは思ってもみませんでしたので。次の岡山ではチーム全員で作戦を練り直し、サクセスウェイト55kg積んでもライバルに勝てるように全力で頑張ります」

2022スーパー耐久第5戦もてぎ OHLINS Roadster NATS(山野哲也/金井亮忠/野島俊哉)
2022スーパー耐久第5戦もてぎ OHLINS Roadster NATS(山野哲也/金井亮忠/野島俊哉)


関連のニュース