更新日: 2023.06.16 16:21
ブリヂストン TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup 2023第2戦 レースレポート
TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup 2023 第2戦 プロフェッショナルシリーズ
井口卓人、地元九州で新型BRZにて初優勝
開幕戦に続きPOTENZA RE-09Dが表彰台を独占
開催場所:オートポリス
開催日:2023年06月11日(日) 〜 2023年06月11日(日)
新型のトヨタGR86とスバルBRZが導入されて2シーズン目を迎えたGR86/BRZ Cupの第2戦は、6月11日に大分県のオートポリスで開催された。阿蘇山中に位置し、まわりを緑で囲まれたサーキットは、地形を活かしたテクニカルレイアウトで知られ、アップダウンに富んでいる。特にセクター3と呼ばれる上りの区間は、タイヤにかかる負荷が大きく、タイヤマネージメントも勝敗の鍵を握る。
新型のGR86とBRZが投入されてから、オートポリスで開催されるのは初めてとあって、どれほどのタイムが記録されるかが期待されたが、まず土曜日午後の専有走行において、上位は2分7秒台に突入しており、先代のレコードを4秒近く短縮。POTENZA RE-09Dを装着するドライバーのトップは#97高橋知己(ブリヂストン)で、2分7秒289をマークして2番手に。3番手に#11脇阪寿一(ブリヂストン)、そして#700地頭所光(ブリヂストン)の順で続いていた。今回のエントリーは32台で、うち22台がPOTENZA RE-09Dを装着する。
■予選
梅雨時であり、また台風接近の影響で危ぶまれた天候は、幸い土曜日の夜に降っただけで、プロフェッショナルシリーズの予選までにはすっかり乾いていた。それでもいつ降り出してもおかしくない状況とあって、ほとんどのドライバーが10時ちょうどの計測開始と同時にコースイン。
スリップストリームを使おうと、コース上で譲り合いが見られる中、先頭を切ってアタックを開始したのが、#88井口卓人(ブリヂストン)と#87久保凜太郎(ブリヂストン)、そして#18中山雄一(ブリヂストン)の3人。このうち井口が2分7秒542で、中山が2分7秒544で続く。
しかし、その後ろの集団で、このふたりを上回るドライバーが現れる。トップに#80伊東黎明(ダンロップ)が2分7秒413を記録して浮上し、2分7秒516で#199平良響(ブリヂストン)が2番手に。井口は3番手、中山は4番手となった。なお、#97高橋と#98元嶋佑弥が5、6番手、#7堤優威(ブリヂストン)と脇阪が8、9番手と続き、POTENZA RE-09Dを装着するドライバーは、トップ10のうち7台までを占めていた。ちなみに、予選終了直前に心配された雨が降り出し、瞬く間に路面は黒く染められていた。
■決勝
予選の終了直前に降り出した雨は、その後も降ったりやんだりを繰り返し、どちらに転んでもおかしくない状態だった。幸い、しばらく路面は濡れたままだが、どうやら決勝レースの間は雨を免れそうだ。そればかりかスタート進行が近づくにつれ、雲の切れ間から日差しも注いで、全車グリッドに並んだ時には、路面はほぼドライになっていた。
2番グリッドから平良が好スタートを切ったものの、ポールシッターの伊東はしっかりインをキープして逆転を許さず。しかし、平良、井口らがぴたりとその背後に着けて、逆転の機会を待つ。そんなトップ争いが最初に動いたのは5周目。ジェットコースターストレート先の右コーナーで、平良がトップに立って、これに井口選手が続くことに。
改めて平良と井口の一騎討ちでトップが競われるようになり、プレッシャーをかけ続けた井口が、9周目の平良のミスを逃さず、トップに浮上。そのまま逃げ切って井口が2020年の十勝スピードウェイ第4戦ヒート2以来の優勝を飾った。悔しい2位は平良、3位高橋は嬉しい初表彰台。オープニングラップの接触で順位を落とした中山が4位。そして5位の脇阪選手まで、POTENZA RE-09D装着ドライバーが上位を独占した。
■第2戦ブロフェッショナルシリーズで優勝した#87井口卓人選手のコメント
「みんながフェアに戦ってくれたので、すごく気持ちよくレースできました。接触もなかったですし。後半はペースも良かったんですが、まさか勝てるとは思っていなかったので、本当に良かったです。ゴール後はうるっと来ましたね。このチームを立ち上げて、苦労もありましたし、いろいろありましたから。タイヤは最後まで、多少のタレはありましたが、みんなきついのは分かっていましたので、完全ドライの内圧で行って、うまく当たったなと思います」