第3戦の翌日、第4戦は第3戦と同じコース設定で開催された。天候は前日を上回るほどの蒸し暑さだった。前日に駆動系を大破させた田中は修復して出走を試みるもコースイン後に走行不能になった。
2日目ともあって全体的に得点は上がってきた。最初に走った森孝弘(GP SPORTS)がいきなり97点台を出すと、Aグループでは中村龍(TEAM MORI)、稲岡拓也(VEHIQL RACING × VALINO)、横井も97点台をマーク。その中でルーキーの中村龍がトップスコアだった。
そしてCグループ。ポイントリーダーの目桑は鋭い振りでの飛び込みから、後半はやや抑えた走りのように見えたが98.08点をマーク。トップに立った。
そして最後のDグループ後半。川畑真人(Team TOYO TIRES DRIFT 1)がやや抑えめに見える走りながら、1コーナー進入の角度変化などで点を稼ぎ98.11点でトップに立つ。しかし最後に走行した村上が1コーナーへの振りの速さ、S字での安定感などで得点を稼ぎ98.21点で川畑を上回った。
川畑は2本目により大きな角度を見せたものの1本目の得点は超えられず。この時点で村上の単走優勝は決まっていたが、それでも村上は得点の更新を狙って出走。ミスがあって点は伸びなかったが、村上は初の単走優勝を果たした。
単走Winner:村上満(Repair Create × Result Japan)
Repair Create × Result Japan GR86 (ZN8)
「単走優勝はめっちゃ狙ってました。走行が最後だったんですけど、なんとなく半分ぐらい過ぎたあたりでなんかいけそうな気がしてて、すごい落ち着いてたんで、いつもは2本目で決めるんすけど、とりあえず1本目で決めようと思って」
⎯⎯朝のチェック走行からいい点が出ていた?
「そうなんです。いろいろ昨日の反省点を落ち着いて考えた結果、昨日までは自分の乗りかたじゃないことに気がついて、そうだそうだ、そのためにテストしたんだ、って思って、今日朝から変えたんですよ。それがやりやすかったんです。だから自信はありました。1本目からもう8割9割ぐらいで行こうと決めてたので。10割やるとたぶんなにか起こるなって思ってたんで、それぐらいのつもりでいきました」
⎯⎯走りはねらいどおり?
「ねらいどおりでした。今朝まで左足ブレーキ引きずりながらやってたんすけど、いらないなということに気がついて。そしたら、点がバーンって伸びた。だからもう小賢しいことはやめようと、おじさんだし」
⎯⎯1本目でもう単走優勝は決まってたが、2本目は?
「2本目は、正直いって川畑がまた出してきそうな気がしてたんで、あいつが出したらまた上塗りするよって無線でいってスタートしたんです。出てるかどうか知らない状態で走ったんです。でも、2本目はもうさすがにタイヤがなかったです。 (単走優勝は初)めちゃくちゃ嬉しい。D1ストリートリーガルの2012年以来です。めっちゃ嬉しいです」
■第4戦 追走トーナメント:松山がスピードをいかして藤野をよせつけず優勝
ベスト16ではルーキーの稲岡と中村龍が、新旧“ミスター・アベレージ”岩井照宜(レーシングサービス ワタナベ)と森を倒して勝ち上がったほか、山中vs藤野の好カードは藤野が接近ドリフトで山中に勝利。川畑vs松山のTOYO対決は松山がスピードで勝った。
ベスト4に入ったのは藤野、横井、松山そして中村龍。中村は目立ったミスもなく落ち着いた追走でするすると勝ち上がってきた。
準決勝最初の対戦は藤野vs横井。1本目は横井が近い距離で1コーナーに飛び込んだが、やや藤野に詰まって角度をつけ過ぎ、きれいに合わせきれない。2本目は後追いの藤野が、DOSS点を落とさずに近いドリフトを見せて勝利を決めた。
準決勝もうひとつの対戦は松山vs中村龍。1本目は先行の松山に対して中村龍がついていったものの、ギクシャクしたところもあってDOSS点をやや落としてしまう。2本目は先行できれいな走りを見せた中村龍に対し、松山が終始近いドリフトを見せて勝ちを決めた。
決勝は藤野vs松山のTOYO対決だ。1本目は藤野が先行で非常にいい走りを見せ、松山は1コーナー、ヘアピンともに寄せていったものの、角度が浅かったこともあってDOSS点が伸びなかった。
2本目は松山が先行。渾身の走りを見せた松山に対し、藤野は1コーナーで流されて後れをとってしまい、その先でも寄せることができない。これで松山のGRカローラでの初優勝が決まった。
Rd.4 Winner:松山北斗(Team TOYO TIRES DRIFT 2)
TOYO TIRES DRIFT GR COROLLA(GZEA14H)
「去年筑波はすごい苦労して、クルマができてすぐに高速サーキットでぜんぜん思いどおりいかなかったんですけど、去年いろいろやった甲斐があって、ふだんこのスピードでテストできるところはそうないので、ここに来るまでわからなかったんですけど、来てみてすごいよかったですし、いろいろトラブルもあったんですけど、最終的に優勝できてよかったです」
⎯⎯昨日から今日にかけて変えたところは?
「昨日は追走で藤野さんに追いつけなかったので、もっとトラクションっていうところを意識して、足まわりだとか、そういったところを変更しました。そのあたりが狙いどおりでよかったかなと思います」
⎯⎯単走から最高速が速かったが?
「毎戦ほかのサーキットでも速度は意識してて、速度高くてもDOSSでそんなに点が出るわけじゃないのもわかってるんですけど、やっぱり速いドリフトが僕はかっこいいと思ってるんで、迫力とかもあってお客さんが楽しんでくれるかなと思うんで、スピードはいつも意識してます」
⎯⎯今日の追走で特に意識したことは?
「ちょっとクルマ的にカローラはまだトラクションが薄い部分があるので、立ち上がりとかでちゃんと前のクルマに離されないようにっていうのを特に意識してました。そのへんバッチリではなかったんですけど、これなら先行でちゃんと走れば勝てるかなというところではできたと思います」
⎯⎯TOYO同士での決勝というのはやりやすい?
「やりやすいかどうかでいえばやりやすいですね。やっぱ他メーカーだと他メーカーに負けられないっていう思いもありますし、ふだん藤野さんたちとも仲よくさせてもらってるんで、気持ち的に楽な部分もありますし、もうどっちが勝ってもトーヨータイヤが優勝っていうのは決まってるんで気軽っていうと変ですけど、わりと落ち着いて走れる状態でした」
⎯⎯決勝1本目の後追いは?
「ストレートは狙いどおりだったんですけど、1コーナーに入って、ちょっとエンジンが吹けないというか、自分のつなぎかたが悪かったかもしれないんですけどパワーが食われちゃって、ちょっとフラフラして、あんまりいけてなかったなと思って、2本目をそのぶん頑張って、1コーナーのゾーンも練習から外すこともあったんですけど、まぁうまくいって、けっこうベストな走りができて、それで勝てたかなと思います」
⎯⎯カローラで初優勝ですね。
「もうめちゃくちゃホッとしてます。やっぱり乗り換えて最初はあんまり前例のないクルマですし、本当に苦労して、クルマの性格もぜんぜんちがうなかで、なかなか速く走れないとかあったんですけど、本当に去年1年間通じて仲間にもすごい助けてもらって、クルマをよくできたので、その結果をひとつ出すことができてよかったです」


















