こうした空力面の開発は、サスペンションのセットアップや「連結されていないFRIC」とでも言うべきリモートスプリングを作動させる巧妙な油圧機構にも影響を及ぼしている。

分析:マクラーレン・ホンダ

 シーズン中の開発は、バーレーンで投入したフロントウイングのアップデートを中心に展開され、その他の部分はメルボルン仕様に小さなパーツを追加する形になっている。具体的にはウイングへのフィンの追加、ノーズ下面の垂直なベーンなどだ。

 こうして見るとロシアGPの時点でMP4-31は、すでに必要と思われるものはすべて備え、理解に苦しむ風変わりなパーツはなく、明らかに欠けていると考えられる部分もない。つまりマシンとしては、ある程度まで、まとまってきているとも言える。そのためチームが「重要な」と形容したスペインGPでのアップデートパッケージは、見た目のラディカルな変化を伴わない可能性が高い。

 別の言い方をすれば、今回のアップデートは前後のウイング、フロア、ターニングベーンなど細かいアップデートの集合体なのではないだろうか。パーツのひとつひとつが以前と比べて大きく進歩するというよりも、それらがうまく相互作用するように最適化されるはずだ。「Bスペック」と呼べるほどの大きな変化ではないにせよ、明らかな進化ではあるだろう。

 とはいえ、ヨーロッパラウンドの初戦となるスペインでは、他チームも大規模なアップデート投入を予定している。マクラーレンとしては、フォース・インディア、ルノー、ハースといった他の中団チームの開発を上回る進化を実現しなければ、今回のアップデートに実質的な効果はなかったことになる。

 マクラーレンがアップグレードを成功させた場合、単純に彼らのペースが速くなるだけではなく、中団グループのライバルに心理的な影響を及ぼすことも考えられる。今季このグループに属するチームの多くが予算面で厳しい状況にあり、来年の大幅なルール変更への準備も考えると、リソースの豊富なマクラーレンに対抗して、シーズン中の開発に巨額の費用を投じ続けるのは難しい。

 このためマクラーレンが今回のアップデートで明らかに一歩抜きん出た場合には、中団グループのチームは今年の開発に見切りをつけて、2017年のクルマに専念することを考えはじめるかもしれない。そうなればマクラーレンの相対的な競争力は上がり、成績面でもさらなる向上が期待できるだろう。

 しかし、これとは正反対の状況になる可能性も否定できない。このアップデートでフィールド前方との距離を縮められなければ、マクラーレンが他チームよりも早く、来季のクルマに集中する……という選択もありうるのだ。

 スペインGPの成績はマクラーレンばかりでなく、中団グループの他チームにとっても今季の勢力図を考える上で、きわめて大きな意味を持つことになる。

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