まわりが騒がしくなった土曜。勝因2は、落ち着き。リカルドとの走行データ上の違いはセクター3にあった。それを意識してセッティングをいじると全体バランスが狂う。あせらずに良い部分は活かし、欲をかかずに行くことだ。この見きわめが若い未経験者には難しい。父ヨスは以前、幻に終わった「1999年ホンダF1開発ドライバー時代」がある。ベネトン現役期と違うヨスのテスター能力、その沈着冷静な判断指示能力をマックスはDNAに受け継いでいるのかもしれない。予選では最終的に、先輩に0.407秒の大差をつけられても平然と言ってのけた。「僕は、まだ限界を探る階段を上っているところですから」。こういう言葉を発する落ち着いた態度は並の新鋭ではない。

 勝因3は、基本に忠実なこと。終盤47周目からキミ・ライコネンが1秒以内で真後ろにつけ、ミスを誘うプレッシャーをかけてきた。狙った獲物を36歳のベテランは毎周あちこちのコーナーで揺さぶる。具体的には右ミラー、左ミラーに自分を入れ込むように迫り、一瞬見えない真後ろに動いて不安感を抱かせ、ミスを誘う手だ。こういうスキルが絶妙なライコネンの技との競演が続いた。

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