フェラーリがキミ・ライコネンとの契約を1年延長したのは、実は、完全に予想どおりだったと言ってもいい。彼らは昔からドライバーの選択については「超コンサバ」で、経験とラインアップの安定性を重要視しているからだ。

 現役ドライバーのうち、出走回数でライコネンを上回るのはフェルナンド・アロンソとジェンソン・バトンだけであることを考えると、若手の元気の良さよりも経験を重視するならば、選択肢は限られてくる。また、レッドブルのダニエル・リカルドなど、他の候補者の契約状況の変化もあって、フェラーリはドライバー市場でライコネンの後任を見つけることができなかった。

 とはいえ、2014年にロータスからフェラーリに復帰して以来、ライコネンのパフォーマンスはひどく不安定で、もはや契約の更新はないと見られるのも無理はなかった。とくに乗りづらいマシンに苦労した2014年シーズンは、チームメイトのアロンソにまったく対抗できずに終わっている。ただし、この年に関してはライコネンがスクーデリアを「留守」にしている間に、チームがアロンソを中心とする体制に変わっていた点を考慮する必要があるだろう。そしてライコネンは、自らマラネロに働きかけて、そうした状況を変えようとするタイプのドライバーでもなかった。

 チームメイトがセバスチャン・ベッテルに変わってからは、僚友と比較しての成績も上向いている。ただ、今季開幕から9戦を終えた時点で両者が同ポイントで並んでいるのは、ベッテルがたびたびトラブルに見舞われるといった状況に左右された結果であることは否定できない。

 したがってパフォーマンスという点だけから言えば、ライコネンの残留によって大きなメリットがあるかどうかは疑わしい。しかし、チーム全体の成績を考えると、今年の様子から判断すれば「天秤」は多少なりともライコネンに有利なほうへと傾く。

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