ガスリーは最後尾スタートながら好発進で1周目に順位を3つ上げ、スロー走行のマーカス・エリクソンを黄旗のせいで抜けずタイムロスしたもののそれもすぐに挽回し前の集団を追いかけていった。しかし冒頭に触れたMGU-Hのトラブルがレースの幕を下ろさせた。
それでもガスリーは、自身のミスにガックリと肩を落としていた予選後とは打って変わって、明るい表情だった。
「ポイントが獲れたとは言わないけど、全体的に見てマシンのポテンシャルはポジティブな要素だよ。ハースやルノーはちょっと速いとしても中団グループはこの上ないほどタイトで、フォース・インディアやウイリアムズとは充分戦えるレベルだったし、実際に今日も僕はトラブルが起きるまでは前のストロールとオコンに追い付いていっていたからね。このタイトな中団グループの中で全てを上手くまとめて0.1秒を稼げれば、例えばブレンドン(・ハートレー)もQ2に進めていたわけだし、レースでは違った展開になっていたかもしれない」

開幕戦のトロロッソ・ホンダは、ミスと不運とトラブルで実力を一度も結果に結びつけることができないままレース週末を終えてしまった。それだけに目に見えるかたちにはなっていないが、本来のパフォーマンスとしては最下位を走るレベルではなく、中団グループの中でマクラーレンのテールを追いかける位置にいられたことは間違いない。
しかし、その速さを結果に結びつけられなかったのは、今のトロロッソ・ホンダのチーム力だ。まずはミスやトラブルをなくし、本来の速さを結果に繋げること。開幕戦のトロロッソ・ホンダは、自分たちが最低限果たすべき仕事を果たせたとはまだ言えない。
