38周目にはセルゲイ・シロトキンとポジション争いを繰り広げる周回遅れのロマン・グロージャンがバックストレートで譲らず、ハミルトンはターン7~8で詰まって2位フェルスタッペンとのギャップを失ってしまった。ターン9~10ではフェルスタッペンがスリップストリームに入って仕掛けるほどに接近されてしまったが、冷静に抑え込んだ。

HAM「こいつら、馬鹿げているよ」

MGP「タイヤは大丈夫?」

HAM「あぁ、大丈夫だ」

 ハミルトンは「タイヤの温度をキープするためにプッシュし続けなきゃいけない」とストラットを変更しながらハイペースでの周回を続け、再びフェルスタッペンを引き離していった。

MGP「やったなルイス! なんて素晴らしいドライブ、素晴らしい週末だ。本当にEPICだった」

HAM「本当になんて週末だろう。チームのみんな、ファクトリーのみんなのおかげだ、ありがとう。このままプッシュし続けよう、プッシュし続けるんだ、これをやり続けるんだ。EPICだったよ!」

優勝でベッテルとのポイント差を40としたハミルトン

 予選Q3のEPICなアタックで一気に引き寄せ、決勝でもチーム一丸となって勝ち取ったシンガポールGPの勝利。まさかの敗北を喫したフェラーリとは対照的に、メルセデスAMGの総合力とハミルトンの驚異的なドライビング能力の全てが合わさった歴史に残る名レースだった。

 見る者には退屈なレースだったかもしれないが、本当に歴史に残るようなパフォーマンスというのはそういうものだ。危機を危機と感じさせず自分たちの手で勝利を手繰り寄せたメルセデスAMGとハミルトンがそれほどまでに優れていたということだ。

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