☆☆☆ マックス・フェルスタッペン(レッドブル)

怒りのMAX度は100%、でもぎりぎり抑えたフェルスタッペン。ちょっと前なら“場外乱闘”になっていたのは間違いない。44周目に周回遅れのエステバン・オコン(フォース・インディア)と接触プレー、若いふたりの自信と過信がはじけた(ここはカート場ではない、グランプリなのだ)。個人的には、1歳年下のフェルスタッペンの方が大人の対応をすべきだったはと思う。
☆☆☆☆ ダニエル・リカルド(レッドブル)

前戦メキシコGPでまたリタイア、その際に第三者のマーシャルによる善意の消化作業で、パワーユニットのターボが破損。その結果、ターボを交換することになりブラジルGPでも5グリッド降格のペナルティ。リカルドは今回も不運の連鎖に耐えねばならなかった。この2戦ずっと耐えがたきを耐え、ブラジルGPで4位チェッカーを見られたが、鋭いスオーバーテイク技は何も変わってはいなかった。
☆☆☆☆ ルイス・ハミルトン(メルセデス)

5冠王が成し遂げた“危機管理レース”、ブラジルGPの10勝目はそれに尽きる。鈍いペースだったがタイヤ問題ばかりかパワーユニットのオーバーヒート症状に煩わされ、それをピット側とのコミュニケーションでしのいだレースは秀逸。前にも言ったように速さで2冠、強さで4冠、巧さで5冠、さすがです。
☆☆☆☆☆ シャルル・ルクレール(ザウバー)

国内では深夜未明の予選生中継、雨が舞う予選Q2セッションで彼のラップに目が点になった。カメラには雨は映らなくてもかなり濡れている状況だった。ピットからは「もう辞めろ(無駄だ)」という指示、それを拒絶したのは彼の勇気と自信だ。
するとドライ路面を行くように踏み込み、絶えずスライドするザウバーのマシンをコントロール、グリップ限界に合わせてプッシュ。すばらしいリミット感覚だった。
この時点ではハミルトンやバルテリ・ボッタスよりもセクター3が速い(!)。記録的にはQ2の8番手タイムもこれはウエット状態での“スーパータイム”に値する。
ザウバーに対してフェラーリは本家と同じパワーユニットの設定モードを与えているのかもしれな。しかし、ベッテルと同じそれを使いこなしたのは彼の実力、レースの7位入賞よりもはるかに強いインパクトを感じた予選Q2“未来へのラップ”。あの衝撃を感じたのは2019年に一緒になるベッテルと、5冠王のハミルトンだっただろう。