本橋らの努力によってトロロッソ・ホンダは2018年シーズン開幕前のテストからオープンで密接な関係を築くことができ、第2戦バーレーンGPではホンダ復帰以降、最高位となる4位を獲得した。しかし、チームとのコミュニケーションにおいては、まだ課題が残っていた。それが露呈したのは第4戦アゼルバイジャンGPだった。

「エネマネ(エネルギーマネージメント)の設定に関してのコミュニケーションでミスがありました。エネマネの基本的な設定はラップタイムを最速にすることです」

「しかし、それは1台で走っている状況であって、前後にマシンがいるレースになると別のエネマネが必要になってきます。特にアゼルバイジャンはセクター2の市街地とセクター3の高速区間で使い方が予選とレースではまったく違います。その辺の詰めが甘かったのです」

「しかも、あのときはセーフティカー明けだったことも、わたしにとっては追い討ちをかける状況となってしまいました。セーフティカー明けのときはどうゆうエネマネにしておくべきか。要はバッテリー残量になるんですが、バッテリー残量をどの辺りにしておくと、次のリスタートのときに抜かれないのか、あるいは抜けるのか、という読みが甘かったわけです」

バクーでは、SC明けにチームとドライバーの間でコミュニケーションが足りていなかったという

「もちろん、それを行うにはホンダ側の設定も重要ですが、ドライバーの操作も大きく関係してきます。その辺のコミュニケーションがうまく取れてなかった」

「単純にバッテリー残量の数字的な問題だけじゃなくて、刻々と変わる状況においてホンダとトロロッソ、そしてドライバーの認識が一体となっていなかった。その点において、私たちは素直に反省し、チームやドライバーも理解してくれました」
 
 マクラーレンとの難しい3年間を過ごした直後ということもあり、トロロッソはホンダに対して、彼らの自尊心を傷つけることがないよう敬意を払って接してきた。しかしそれが逆に遠慮につながり、両者の『見落とし』につながったのが、アゼルバイジャンの失敗だった。

 ベストレースとワーストレースを1カ月の間に経験したトロロッソ・ホンダ。しかし、その経験が糧となり、やがて中盤戦で花を開かせることとなる。

■本橋正充ホンダF1副テクニカルディレクター:2018年総括(2)に続く

本日のレースクイーン

松原杏佳まつばらきょうか
2026年 / スーパーGT
レーシングミクサポーターズ
  • auto sport ch by autosport web

    20歳でスーパーGTの最高峰に挑む“新人”小林利徠斗に迫った『FORMATION LAP』2026年第1弾が6月5日に公開

    ふつうとちょっとズレてる──20歳で最高峰に挑む新人ドライバー【FORMATION LAP Produced by auto sport】2026 Episode 1

  • auto sport

    auto sport 2026年8月号 No.1622

    [特集]│多│角│検│証│
    なぜ、日本人はF1で勝てないのか?
    いつか夢を実現するために過去から学ぶ

  • asweb shop

    掘り出し物満載の特別企画『モデルカー祭り!』がautosport web shopで開催中。6月25日まで

    レア物や特別価格商品が満載!
    6月25日まで