GP3の第7ラウンドの舞台モンツァは、福住仁嶺にとって相性が良さそうだった。初日のフリー走行でも走り始めから上位タイムを刻み、1秒以内に19台がひしめく超接戦の予選でも2回目のアタックで2番手のタイムを記録した。

 その矢先にジュリアーノ・アレジのマシンがコース上に止まって赤旗。残り3分で再開されたセッションで各車がタイムを伸ばす中、福住は燃料が足りずピットインを余儀なくされ、結果は6位。

「チームメイトたちも結構ギリギリだったみたいですけど、リスクを取ってアタックに行ってタイムを更新したんです。だけど僕のエンジニアはリスクを取らなかったみたいで……クルマも悪くなかったしもし(もう1回アタックに)行ってれば全然違ったと思うんで、フラストレーションが溜まりました」

 レース1はタイトル争いをリードするシャルル・ルクレールがポールポジションから首位を守るが、ペースは思わしくないようでジェイク・デニスとジャック・アイトキンに抜かれて3位に後退。福住はアントニオ・フオッコの先行を許したものの5位をキープしてレースを進める。

 10周目にジェイク・ヒュースに抜かれたものの、14周目には逆にフオッコを抜き返して5位を取り戻す。最後はヒュースに抜かれたルクレールの背後まで迫ったものの、抜ききれず5位のままチェッカーを受けることになった。

「1コーナーでブレーキングが早すぎてフオッコにインに付かれて抜かれてしまったんですけど、あそこで抜かれていなければレース展開は少し違ったかなと思います。とにかく今日はメチャクチャ暑かったです。すごく汗をかいて(40分の走行で)体重が1kgくらい落ちました」

 そう言いながらも、福住は久々にレースらしいレースをして満足げな表情を見せた。ARTはこのレースで2016年のチームタイトルを早々に決めた。しかし翌日曜のレース2では、福住は再び厳しい現実を突き付けられることとなってしまった。

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