昨年は『シン・ゲージ』が投入された3つのグランプリではブリスターがほぼ起きなかった反面、ほかのグランプリ(オーストリアGP、イタリアGP、アメリカGP)では多くのドライバーがブリスターに悩まされた。そこでピレリは2019年はすべてのグランプリで『シン・ゲージ』を採用することになった。
これにより、ブリスターは抑制されるだろうが、ゴムが動きにくいということは、タイヤが温まりにくいという反作用を生む。つまり、2019年のコンパウンドは、ワーキングレンジが高くなったこととシン・ゲージ化によって、昨年よりも大幅に硬くなっていることが考えられる。
さらにイゾラによれば、2019年のタイヤは「コンストラクション(構造)に新しいマテリアル(素材)を使用し、ウェアプロファイルも向上させたものになっている」という。ウェアプロファイルというのは摩耗の仕方で、ラバーの形状変更を意味する。昨年ブリスターに悩まされたことを考えると、タイヤの中央の膨らみを減らした、よりフラットな形状になっていることが考えられる。
このように2019年のピレリタイヤはコンパウンドとコンストラクションが一新されていることがわかる。これは、各チームにとって、空力の変更と同様、大きな改革だといっていい。
今シーズン初の合同テストとなるスペイン・バルセロナのプレシーズンテストでは、マシンのデータ取りだけでなく、タイヤの特性を見極めるためのデータ取りが忙しくなるだろう。今年のテストは、いつも以上に走行マイレージが重要となりそうだ。