ガスリーも5グリッド降格ペナルティを科されており、最後のアタックが不発でQ2敗退に終わりはしたが、ずっと中団トップの6番手に付けていてQ3まで0.06秒差と僅差の結果だった。シンガポールGPでもQ3まで0.07秒差のところにいた。
母国グランプリ用に用意したロシア国旗の色をあしらったスペシャルヘルメットが「今季2度目のカラースキーム変更」とみなされて却下されるという不運まであったが、それでもクビアトは腐ることなく最後尾から果敢にレースに挑んでいった。
その言葉通り周りとは異なるハードタイヤを履いてスタートし、レース終盤にソフトタイヤでプッシュする戦略。
ただしレース中盤にセーフティカーが入ってしまったため、ほとんどの前走車が同じタイミングでソフトタイヤに履き替えることとなり、ハードスタートのメリットはほとんど生まれなかった。それどころか、セーフティカー中にピットインしたタイヤの内圧設定に問題があり、もういちどタイヤ交換を強いられることに。セーフティカー中にすぐに対応できたためポジションを失うことはなかったが、チームとしては非常に危険なミスを犯してしまったことになる。
そして、レース再開後に前に立ち塞がったのはルノーやレーシングポイントで、最高速が伸びるマシンたち。トロロッソの2台はこれを抜きあぐねてしまい、結局ポイント圏内には手が届かなかった。
「セーフティカー導入中にピットインしてオプションタイヤに交換したが、タイヤに問題を発見してもう一度ピットに呼んで再度交換することにした。セーフティカー中でフリーストップが可能だったからね。問題はその後にストロールとヒュルケンベルグを抜く速さがなかったことだ」(フランツ・トスト代表)
その原因となったのは、マシンもパワーユニットもタイヤも、混走状態の中で走ることでオーバーヒートの症状が出てしまい、本来の力を抑えて走らなければならなくなってしまったことにある。