毎レース接近した戦いを繰り広げる中団グループの中にあって、レーシングポイントがじりじりと本来の力を発揮しつつある。夏休み明けのベルギーGP以降は、シンガポールGPを除く7戦中6戦に入賞。特に直近の北米2連戦では、18戦メキシコGPでセルジオ・ペレスが中団勢ベストの7位、第19戦アメリカGPもピットレーンスタートから10位入賞を果たした。
その結果チームはトロロッソ・ホンダを抜いて、選手権6位に浮上。タイヤ戦略が大きな鍵を握ったこの2連戦の戦いを、松崎淳シニアエンジニアが振り返った。
──メキシコ、アメリカの2連戦は、レーシングポイントにとってどんなレースでしたか。
松崎シニアエンジニア:両方とも、チェコ(セルジオ・ペレス)が本当に頑張ってくれました。
──タイヤ戦略的にも、会心のレースでしたか?
松崎シニアエンジニア:いえいえ、ギリギリでしたよ。
──アメリカはメキシコ以上に、タイヤに厳しいレースという事前予想でした。
松崎シニアエンジニア:ほぼその印象のままでしたね。正直、どこまで行けるかわかりませんでした。でもピットレーンスタートから、何とか入賞までこぎ着けました。チェコの頑張りが、本当に大きかったですね。
ランス(ストロール)も乗れていて、いい感じだった。でも1コーナーでぶつけられて、フロントウイングにダメージを負ったのが痛かった。それでリヤのダウンフォースが減ったせいもあると思いますが、バンプに乗って飛び出してしまった。1周目は2台とも、ほぼ最後尾でした。欲を言えば、キリがありません。
──メキシコではきっちり50周をハードで走り切って、中団勢ベストの7位入賞を果たしました。
松崎シニアエンジニア:ヒヤヒヤでした。でもあそこまで行ったら、走り切るしかない。タイヤ的には、まだまだ急激にグリップを失う状態ではなかったですが。
──いっぽうのアメリカは、メキシコとはまったく状況が違っていましたか?
松崎シニアエンジニア:今回もベースラインは、そんなに違っていない。ただデグラデーションは、思ったより大きかったですね。
──初日フリー走行時に比べてということですか。
松崎シニアエンジニア:ええ。あとは今年これまでの金曜日のデータを基に、日曜日のコンディションを想定するわけですけど、そのデータと比べてですね。最後は完全に性能が落ち切ってはいなかったんですが、後ろから来る速いクルマを抑え切れるほどではなかった。