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F1 ニュース

投稿日: 2020.12.28 17:00
更新日: 2020.12.29 11:15

「難しい状況でも路面変化にしっかり対応していて驚いた」角田裕毅のドライブに好印象/ホンダ本橋CEインタビュー(後編)

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F1 | 「難しい状況でも路面変化にしっかり対応していて驚いた」角田裕毅のドライブに好印象/ホンダ本橋CEインタビュー(後編)

 2020年F1最終戦アブダビGPを終えたタイミングで、角田裕毅のアルファタウリ・ホンダからのF1デビューが発表された。11月のイモラテストで初めて角田と仕事をした本橋正充チーフエンジニアは、「終始リラックスしていた」、「難しい路面コンディションにもしっかり対応して、安心してサポートできた」と、好印象を語っていた。

 エンジニアにとっては角田という新しいドライバーが、「新たな発見、新たな運転領域を与えてくれる」場でもあったとのことだ。

 新型コロナウイルスに翻弄され続けた2020年シーズン。本橋エンジニアも通常の戦い以外の「多くのストレスを感じながらの1年だった」と振り返る。年明けから本格化する新たな開発に向け、今頃は半年ぶりに再会した家族との束の間の休暇を楽しまれていることだろう。

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──2021年、角田裕毅選手のアルファタウリからのデビューが決まりました。彼が初めてF1マシンを走らせたイモラテストは、本橋さん自身すごく楽しみにしていたと聞きました。

本橋正充チーフエンジニア(以下、本橋CE):日本人ドライバーが、F1マシンに乗ってくれる。まずはその事実が、僕としてもホンダとしても嬉しかったし、楽しみでしたね。それと新しいドライバーが乗るのって、僕らにもすごく勉強になるんです。ペダル操作や、乗り方の違いで。そういう技術的な部分でも楽しみでしたね。新しいドライバーが来るのはいつでも楽しみですし、それが日本人だったらさらにいい。そんな感じでした。

アルファタウリで初のF1テストに臨んだ角田裕毅
アルファタウリで初のF1テストに臨んだ角田裕毅

──ドライバーによって、パワーユニット(PU)の使い方もまったく違うということなのですね。

本橋CE:はい。2021年、車体が変わったことでエンジンがどういう回り方をするのか。それも今から楽しみです。

──いろいろなドライバーの運転の仕方が、パワーユニットの今後の開発へのフィードバックになるのですね。

本橋CE:そういうことですね。以前も言いましたけど、2チーム供給になったことで、それまでふたりのドライバーからだったフィードバックが、4人分になった。そのことで、我々が気づかされたことも少なくなかったです。

 2019年は途中でドライバーの交代もあったりして、同じクルマに違うドライバーが乗ったことも、非常にいい刺激になりました。ドライバビリティを含めた最適化は、レース週末ごとにいつも学んでいますね。

──デプロイにも、非常に参考になる?

本橋CE:そこはまさに各ドライバーのスロットルの踏み方で、変わっていく部分ですからね。記憶に新しいところでは、ムジェロ(第9戦トスカーナGP)のレースでは最後にデプロイが切れたりしました。(レース中の)路面変化に対応して、ドライバーが乗り方を変えたりする。その意味でも、ドライバーの乗り方が一番大きいと言えますね。

──イモラでの角田選手は初テストだったにもかかわらず、非常にリラックスしていたと聞きました。

本橋CE:確かに。そこはちょっとびっくりしました。F2であれだけの成績を残している自信もあったのか、終始リラックスしていました。F2に比べるとかなり速いクルマなので、周回を重ねていくと疲れは感じていたようですけどね。

──無理のないペースだったということもあるのでしょうが、ミスもなかった。

本橋CE:はい。夜のうちに雨が降って、だんだんウエットからドライになる難しいコンディションで1、2回コースオフもしていましたが、路面変化にもしっかり対応していた。安心してサポートできました。そこも驚いた点です。

イモラ・サーキットでテスト走行を行う角田裕毅
イモラ・サーキットでテスト走行を行う角田裕毅


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