7年ぶり日本人F1ドライバー誕生に、ファンは心踊らせていることだろう。しかし、所属するチームが戦えるクルマや環境を与えてくれないようでは、そのワクワクも半減する。残念なことだがわれわれは、どんなに手を尽くしても上に行けないクルマに苦悶する日本人の姿を、過去に何度となく見てきた。
角田裕毅はルーキーシーズンにしてその戦えるクルマや環境を、アルファタウリ・ホンダでどうやら手にできたようだ。アルファタウリというよりもレッドブルの決定なのだろうが、ジュニアドライバー角田の2021年F1昇格を決めると、旧車による実走機会を複数回、提供した。それにより角田は実際のテストが始まる以前に、F1ドライブというものになじむことが可能となった。これなら、角田は本来のテスト初日から自分の能力を存分に発揮することができる。エンジニアとのやり取りも、ここで学んだはずだ。環境は整えられた。