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F1 ニュース

投稿日: 2021.07.16 13:39
更新日: 2021.07.16 14:14

【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第9回】タイヤマネージメントと安定性が生んだ、ニキータとミックの“差”

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F1 | 【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第9回】タイヤマネージメントと安定性が生んだ、ニキータとミックの“差”

 次戦イギリスGPでは、スプリント予選レースが導入されます。スペインGP後のコラムにも書きましたが、F1側はグランプリ週末の3日間をより価値のあるものにしたいと考えていて、その一環で新しいフォーマットが決まりました。

 週末のフォーマットが変わるので、それに合わせてレースに向けてのミーティングや作業のスケジュールなども変わってきます。通常であればFP1とFP2のデータを踏まえて金曜日の夜に作業をしますが、イギリスGPではそのデータが半分しかない状態で予選に臨むことになります。

 これも以前書いたことですが、新人ふたりにとって、FP1でタイヤを2セット使っただけでは、予選でクルマのパフォーマンスを最大限まで引き出すことは難しいです。たとえばウチのクルマがQ3に進めるくらい速ければ、Q1から徐々に攻めていき、Q3で最大限のパフォーマンスを出せるようにすればいいのですが、現状ではQ1で100%の力を発揮しなければならないので、ふたりにとっては余計難しいところです。

 オーストリアGPの前にはFIAやF1、チームが出席した会議が行われ、そこでクラッチの磨耗を考慮してパルクフェルメ下でもクラッチを調整できるようにしてほしいという意見がありましたが、結論から言うと規則自体は変わりませんでした。ただデータを踏まえてFIAに要望を出して、FIAが必要だと判断すれば調整が可能です。これまでであればFP3、予選とレースだけで使っていたクラッチを、週末通して、約750km以上も使わなければいけないので僕たちも気を抜けません。

 もうひとつ気になるのはスタート練習です。シルバーストンではピット出口でスタート練習ができないので、グリッドで行うことになっています。ただ予選前にスタート練習ができるのはFP1終了後だけなので、スタートに関するクラッチのデータは1回分しか得られないのです。もしクルマに問題があったり、FP1が赤旗終了となった場合はまったくスタート練習ができないので、1回分のデータがあるか、あるいはゼロかという状態でレースを迎えることになります。見ている方にとっては興味深いことになると思いますが、チーム側としては不安なところです。

ミック・シューマッハー&ニキータ・マゼピン(ハース)
2021年F1第9戦オーストリアGP ミック・シューマッハー&ニキータ・マゼピン(ハース)


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