メルセデスF1チームは、2021年F1アブダビGP終盤の規則の適用方法に関する抗議をスチュワードから認められず、上訴を検討したものの、手続きを進めないことを決めた。しかし、代表トト・ウォルフ、ルイス・ハミルトンをはじめとするチームメンバーたちは今も、あの決定的瞬間に正しいことがなされたとは考えていない。
こういう形で上訴をとりやめる場合に、常に理由として記されるのは「スポーツの利益のため」という言い回しであり、ウォルフもそのような説明を行った。レース終盤のセーフティカーにまつわる手順が規則に記されたとおりではなく、それによってハミルトンが勝利とタイトルを失ったことにメルセデスは激怒し、F1関係者やファンからも批判が出ている。それを受けて12月15日にFIAは、この件について調査を開始すると発表した。
その翌日に、上訴手続きを進めないと発表した後、ウォルフは記者会見を行った。そこで彼は、FIAに対し、責任を持って調査を行い、F1の規制と管理の方法に重要な変化を起こすよう強く求めると発言した。
「委員会には、言葉だけでなく行動も期待したい。行動を起こすことへの責任を彼らに負わせるつもりだ」とウォルフは語った。
「エンターテインメントよりスポーツ面を優先するのではなく、その逆にスポーツ面よりエンターテインメントを優先するような競技を、我々は続けることはできない。技術的な分野であれ競技的な分野であれ、場当たり的な判断によって、強制的に要求を押し付けられるようなスポーツに、い続けることはできないのだ」
「従って、次のシーズンが始まる前に、すべてのドライバー、すべてのチーム、そしてファンが、何が認められて何が認められないかを理解できるよう、明確な対策を講じる必要がある」