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モタスポブログ

2017.09.02

メキシコ初入国。日本と異なるサーキット”通勤電車”事情【2017WECメキシコ現地情報1】


モタスポブログ | メキシコ初入国。日本と異なるサーキット”通勤電車”事情【2017WECメキシコ現地情報1】

 オートスポーツ編集部のル・マン担当、ナカノがWEC取材のためにメキシコへ降り立ちました。さっそくサーキットの雰囲気を現地からお届け……の前に、まずは庶民の足として活躍している地下鉄での“通勤風景”をご紹介します。


 日本から12時間のフライトでやってまいりました、個人的に初めての国となりますメキシコ。入国審査には、こんなレーンまでできておりましたよ。

 WECのレースが行なわれるエルマノス・ロドリゲス・サーキットは、空港のすぐ近く。ということで、空港をあげて歓迎ムード、だったのですが……。

 自分が到着したのは現地時間水曜日の午後。その後18時頃から日本でいうところのゲリラ豪雨となり、雷もひっきりなしに鳴っておりました。

 そもそもいまは雨季ということで、週間予報もずーっと雨マークなのですが、もしセッション中にこんな雨が降ったら何もできないぜ、という感じの凄まじい雨量でした。

 で、大問題が発生。この大雨によりメキシコシティに到着するはずだったフライトが、リゾートとしても有名なカンクンやアカプルコなど、メキシコ国内の他の空港へダイバート。

 ヨーロッパから移動するドライバー、チーム関係者、メディア関係者がかなりの数巻き込まれたとのことです。木曜の遅い時間や、金曜朝になってようやくメキシコシティ入りできた人も。

 木曜・金曜のサーキットでは「大丈夫だった?」「カンクンのビーチは楽しめた?」というやりとりが交わされておりました。


 さてさて、メキシコの裏情報をお伝えする第1弾は、サーキットへの移動手段をご紹介しましょう。

 今回、自分は空港近くに宿をとり、そこから地下鉄を使ってエルマノス・ロドリゲス・サーキットに通うことにしました。メキシコシティは地下鉄網が発達していて、便利なのです。

 通常の海外出張ならレンタカーを借りるところですが、渋滞が酷いと聞いていたことに加え、運転免許試験制度のない国での運転はちょっと怖かったので……メディア関係者は、多くがタクシーやUberを利用していたようです。


 まずは空港最寄りのTERMINAL AEREA駅へ向かいます。空港のターミナルの端から歩いてすぐ。


 窓口で切符を買います。乗車1回あたり5ペソ(約35円)という安さで、改札を出なければ乗り継いでどこまで行ってもこのお値段。庶民の足として大活躍している訳が分かりますね。切符は複数枚まとめて買うこともできます。


 切符は自動改札に入れるのですが(この写真はサーキット最寄り駅のもの)、前述のような料金体系のため、切符は改札機から出てきません(吸い込まれるだけ)。これ、知らないとかなり焦ります。


 階段をさらに降りて、また登って、入り口とは反対側のホームへ。さすが高度2000mオーバー、少し勢いよく階段を上っただけで、息が切れて涙目になります。マジで倒れそうになりました。


 今回地下鉄を利用するにあたって、いろんな人から「気をつけたほうがいいよ」と忠告を受けていました。特に朝夕のラッシュ時は、スリやひったくりの被害が出ている、というのです。この日は朝9時過ぎだったのですが、思ったほど混んでおらず、車内は暗いものの、とくに危険な感じはしなかったのですが……。


 5号線に2駅乗って、終点のPantitlan駅に到着。長い階段と通路を歩いて(また息切れする)、9号線乗り場へと向かったところ、ホームに人があふれかえっているじゃありませんか!

 列車が到着すると、みな我先にと座席へダイブ!(本当に飛び込んでる感じです)。日本の通勤ラッシュと密度は同じ程度ですが、無秩序感がすごい……。

 2駅先のCiudad Deportiva駅で下車するのですが、「降りられるかなぁ」という不安がよぎります。駅が近づいたところで周囲の人に声をかけ、なんとか人をかき分けて降りたあとがこちらの写真です。


 これは帰りのPantitlan駅の光景ですが、みなさんこのように“横に”並びます。日本のホームのような「乗車位置目標」はありません。

 とにかく座席を確保するために、ホームの端スレスレで列車を待ってるんですね。ラッシュ時、最前列の人は自分の鼻先数cmのところに列車が入ってくるという……。


 日本の大都市圏でもおなじみの「女性専用車両」、メキシコにもあります。駅によってはこんな形でホームからしてハッキリと仕切られています。


 ちなみにこちらの地下鉄の“運転”なんですが、急発進、急ブレーキは当たり前で、まぁ言ってしまうと超・乱暴運転なんですね。で、それを可能にしているのが、このゴムタイヤ。特に停止時の“カックンブレーキ”は不快感極まりないです。必ず手すりにおつかまりくださいね。

 乗り換えた9号線で2駅。ここは地上区間になっていて、道路の上を走ります。眼下にはラテンの国の景色が広がります。ちなみにこちらはラッシュではない時に撮影。

 Ciudad Deportiva駅に到着。ホームで熱い抱擁を交わしているカップルを尻目に、出口へと向かいます。切符はすでに持っていないので、この出口専用のバーを押して出るだけ。シンプルでいいなぁ。


 階段を降りて30秒も歩けば、サーキットの7番ゲートに到着。ここまでホテルを出てから25分程度でした。ラッシュ時でなければ、わりと“快適”な通勤です。サーキット前の道路はつねに渋滞していましたからね。

 さて、ここから先、サーキットのなかの様子は、次回のコラムでご紹介しましょう。adios!


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