MotoGP第4戦スペインGPの現地情報を二輪ライターの遠藤智氏がお届け。ジャック・ミラーの突き飛ばし事件に加え、レースウイーク後にはオフィシャルテストが同会場で行われるなど、トピックスが多かったスペインGP。果たして現地ではどのようなことが起こっていたのか。

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MotoGP現地トピックス:ミラーのバウティスタ対する行動にスペインファンは怒り心頭

 決勝日は気温28度のピーカン。路面温度も40度を超える暑さとなり、MotoGPクラスは全体的にタイヤのグリップに苦しんだ。

 その中でレプソル・ホンダ・チームのふたりは好調で、3位以下を圧倒した。その要因についてHRCの横山健夫テクニカルダイレクターは「今回の好調の要因は、正直、わからない。強いて挙げるとすれば、2月下旬に1日だけウィンターテストをやっていたし、今回は金曜日がウエットで始まり、セッティングするという点では、1日半のアドバンテージがあったせいかも」と語っていた。

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 ハードウェアに続き、エンジン・コントロール・ユニット(ECU)のソフトウェアが昨年から共通化された。ホンダ・ワークスの好走に対してライバル陣営からは、「確かに、やれることが限られているし、テストしているアドバンテージはあるかも知れない。でも、それだけじゃないと思う」とコメント。

 予選でもダニ・ペドロサ、マルク・マルケス、カル・クラッチローの3人が14年のドイツGP以来のフロントロー独占。ホンダ・ワークスの速さが際立つレースだった。

MotoGP現地トピックス:ミラーのバウティスタ対する行動にスペインファンは怒り心頭

 ダニ・ペドロサが独走。そのペドロサを唯一追撃したマルク・マルケスのふたりが、3位以下を圧倒した。

 フロントにハード、リヤにミディアムを選択したペドロサに対して、前後ハードを選択したマルケスは序盤、ややペースを抑えなくてはならず、それが序盤の1.5秒差となった。その差をキープする走りに徹したペドロサ。「限界を超えないようにマルクとの差をしっかり見て走った」と細心の注意を払っての優勝だった。

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 一方のマルケスは、「バレとマーベリックのポジションを見て、最後は2位をキープすることにした。苦手なヘレスで2位になれたので良かった。今大会はマシンのセッティングで、次戦以降に大きな収穫があった」と満面の笑みだった。

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 ペドロサにとっては久しぶりの快走。マルケスはチャンピオン争いでヤマハ勢二人との差を一気に縮めて、ともに大満足のレース。レプソル・ホンダ・チームのワン・ツーフィニッシュは、2015年のドイツGP以来となった。

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 フロントにハード、リアにミディアムを選択したヤマハ・ワークスのふたり。グリッドに並んだ選手のほとんどがこの選択だったが、マーベリック・ビニャーレスは6位、バレンティーノ・ロッシが10位と低迷した。

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 フロントタイヤの消耗、リアのスピニングに苦しんだふたりだが、テック3・ヤマハのヨハン・ザルコはフロントにミディアムを選択して4位。「このコンディションでフロントにミディアムというのは考えられない選択」と多くの選手が首をかしげたが、3位のホルヘ・ロレンソ、そしてザルコにとっては、結果オーライだった。

 それにしても、アルゼンチンGPで5位、アメリカGPとスペインGPで連続4位のルーキーのザルコの走りに注目が集まった。

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