月曜日の公式テストで、もっとも大きな変化を感じさせたのがホンダのマフラーだった。これまでのロング管からショート管へ。狙いは「加速」の向上とのこと。成果は上々で、次戦フランスGPから実戦に投入されることになりそうだ。
スペインGPでは、圧倒的な強さと速さを見せたレプソル・ホンダ・チーム。こうして、ホンダはエンジンのフィーリングの改善。ヤマハは車体。スズキは電子制御のテストが中心と、それぞれのメーカーの抱える課題とテーマを垣間見るテストだった。
開幕戦から苦戦が続くスズキ・ワークスは、アレックス・リンスが怪我をしたことで今大会は津田拓也が代役出場したが、次戦フランスGPからは英国スーパーバイク選手権(BSB)に参戦中のシルバン・ギュントーリが出場する。
そのため、スペインGP終了後の公式テストには、アンドレア・イアンノーネにふたりの代役選手の3人体制でテストが進められた。
テストのメニューは電子制御が中心だったが、4戦を終えてスズキは、ヤマハ、ホンダ、ドゥカティ、アプリリアに続いてコンストラクターズタイトルで5番手。次戦からの巻き返しに燃えている。
新加入のアレイシ・エスパルガロの活躍でコンストラクターズで4位に浮上のアプリリア。開幕戦カタールGPの6位に続き、今大会は9位でフィニッシュ。今季2回目のシングルフィニッシュとなった。月曜日の公式テストでは、“隠しウィング”のテストも実施。これからの戦いに注目される。
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遠藤智
1957年生まれ 北海道厚岸町出身。小学生の頃は野球少年。中学では柔道、高校時代は吉田拓郎に憧れ、バイクの魅力にもとりつかれる。19歳で上京。平忠彦のメカニックを経験、自身では鈴鹿4耐で優勝、8耐では最高位12位。マン島TT、マカオGPなど海外のレースの経験も豊富。その後、角川書店が発行していたバイク総合誌「ウイリー」でライター兼ライダーとして活躍。1990年からは2輪の世界グランプリを中心に海外レースの取材を開始する。日本スポーツプレス協会(AJPS)会員、国際スポーツ記者協会(AIPS)会員、日本レース写真家協会(JRPA)会員。