ベルギーグランプリ、夏休みも明けて準備万端、体調バッチリでやってきたものの毎日一所懸命に写真を撮りまくってフォトグラファーズルームに帰ってきてコピーが終わると夜の7時とかになっていて写真セレクトもままならないまま、メディアセンターが終了する11時になってしまい……。このブログを書けないまま、日曜のレース後になってしまってます……すみません。
オー・ルージュを駆け上がるアロンソ選手。トラブルたくさんでした。でも今回ホンダのパワーユニットのアップデートで何が変わったか……音が変わりました!
全開でいくオー・ルージュでは前より甲高い音で音量も上がった感じです。くわしくは長谷川さんに聞いてますので、のちほど。
これは、フリー走行1回目のガレージ。アロンソ選手、1回目のエンジン交換。まあね、そりゃ複雑きわまるパワーユニット、そういうこともありますよ。バトン選手は快調ですからね。アップデートの効果は、あったんじゃないでしょうか。
ハーロ? ハロー? ロズベルグ選手は、かなりの周回数をこなして、問題ないとかいうコメント。僕は、これは、やっぱり嫌です……。単純に見栄えが良くないし、ドライバーが見えてほしいからという理由です。
金曜から、たくさんのお客さんでした。フェルスタッペン選手を応援する皆様!
これが、オー・ルージュ川。オー・ルージュって、赤い水ってこと。確かに赤いんです。向こうに見えるトンネルがオー・ルージュの登り口の真下を流れています。なんで赤いのか? 鉄分??? まあ綺麗な水ってわけじゃないみたいだけどね。昔から、この感じです。
前の人はGP3の福住選手。F1のガレージ横に体重測定場所があって、GP3のガレージとのショートカット道です。福住選手は初めてのスパ・フランコルシャン。オー・ルージュの下りが「やばい」って言ってました。歩いては、もう何度も上がっては下ってますけれど、やっぱりすごいんだろ〜なあ。
この人こんな砂利の急坂をヘルメットかぶったまま、飛んで降りてました。若いって素晴らしい!
GP2の松下選手。フリープラクティスの直後、相棒のシロトキン選手とバナナを食べつつ雑談中。休み中に海に行ったそうで
「どこの海に行ったの?」
「あ〜、ニューカレドニアっす!」
「マジ……」
「うそです、伊豆です」
「あ、あ、そうなの!」
おじさんは、すぐに信じてしまうから……後半戦、松下選手も福住選手も頑張っていただきたい!
これは、オー・ルージュの登り口。急に登っているので、マシンのフロアが路面と接触して傷がついているわけです。
オー・ルージュを下っていると「熱田さーん!」って声。日本からのF1観戦、うれしいじゃありませんか! 海外のサーキットに最近は日本人のお客さんも、我々報道も激減している今日この頃。こうして声をかけていただけると、うれしいです!
「よしっ、長谷川さんに聞いてみよう!」第8回です。お名前は、敬称略で。質問は補足させていただいたり、僕からの質問も、まじっています。
まず夏休みは、休めましたか?
「休めました! 1週間くらい休みました」
「HCCI」について、わかりやすく説明していただけますか。また、F1のパワーユニットには実際HCCIのような技術が使われているのでしょうか。(広島県・ペンネーム:ひでろう)
「いや〜、これは難しいですね!」
僕は、さっぱりわからないんですけれど……。
「日本語で言うと、混合圧縮自着火燃焼と言います、ガソリンをディーゼルエンジンのように燃やすことをHCCIと言っています」
じゃあ言葉どおり、圧縮して着火するわけですか?
「そうです。その結果、非常にリーンで燃やして、より燃焼効率を上げるというのが基本的なコンセプトです。いまのF1エンジンでは、メルセデスやルノーが使っているんじゃないかと言われていますが実際にはわからないです。ただF1の場合はプラグが付いていますから、厳密には圧縮自着火ではないですからHCCIではないんですね。それに近いような、セミHCCIと言っていますけど……使われているかは、わからないです」
ホンダさんは、どうなんでしょう?
「当然研究はしていますけど、それはやってないです」
「世の中でHCCIが騒がれはじめたのが、もう10年くらい前です、その定義が難しいんですが、実際にはあまり使われてないですね」
ずばりメルセデスとのICEにおける馬力差は、どれくらいと見ていますか。来年は追いつき、追い越せますか?(ペンネーム:マクラ投げポン太)
「競争力の差と言うことになってくるので数字はお答えできないです」
「ただ、メルセデスの方が上をいっているだろうと思っていますので、それを凌駕することが目的となっています」
「来年、追いつくことを目標にしています!」
スパなど標高の高いサーキットで、気圧によって受ける影響はNAエンジンと比べて違いはありますか?(愛知県・ペンネーム:ブエナ・スエルテ アロンソ)
「NAエンジンに比べると、過給エンジンですので影響は少ないです」
「メキシコなどになると運転点というのが違いますから、影響は受けます」
スパは、どうですか?
「ここは、ほとんど標高による影響は受けないですね」
前にお伺いした音についてなんですが、今日アップデートしたパワーユニットの音がこれまでと違うんですけれど……オー・ルージュのアクセル全開の音を聞いていると、甲高い良い音になっているように思います。
「あ、そうですか?」
あ、そうですかじゃなくて、変わってないんですか(笑)?
「変わってます。新しいエンジンはいろいろ入れているので、音を変えることを目的にはしていませんが、変わっています」
ですよね!
「ちょっとガラガラ音になっているかと思っていたんですけれど……」
いや、他のメーカーとも差別化できて、いい音になったし音量も上がっているように思います。
「ありがとうございます。音量も、そうかもしれません」
今後たとえば鈴鹿も、この音ですか?
「そういうことになると思います」
音が結果的に変わったということなんでしょうか?
「いや〜音が変わったことは認識していました。実際ドライバーとエンジニアには音が変わっているからビックリしないでねって説明していますから」
排気管の取り回しとか何かの変更なんでしょうか?
「いや、それは変わってないですね。ターボが軽くなったかな……それで共振周波数が変わっているのかもしれないですね」
と、いうことらしいです。アクセルを戻している、コーナー入口のファン……ファン(シフトダウンの音)ゴロ、ゴロ、ゴロ、ゴロ、ファ〜ン(加速の音)の「ゴロ」の音がホンダエンジンの特徴でもあるんですけれど、なんというか音の粒がはっきりして、いい音になりました。
そんな大きな違いではないですが、良くなりましたよ! ぜひ鈴鹿で聞いてみてください!!
質問お待ちしてますよ!!! くわしくは下の記事から。
熱田カメラマンが直撃、ホンダF1についての質問を募集します
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熱田護(あつた・まもる)1963年生まれ。三重県鈴鹿市出身。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。2輪世界GPを転戦し、1991年よりフリーランスとしてF1をはじめとするモータースポーツや市販車の撮影を行う。2016年もF1全戦をカバーする予定。WEB:Mamoru Atsuta Photography