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投稿日: 2023.11.13 11:43
更新日: 2023.11.13 10:48

不慮の逝去から約1年。12月発表のケン・ブロック最新作『エレクトリカーナ2』予告編が公開


 実際にブロック自身は、競技の舞台で先行してBEVの経験を積んでおり電動オフロード選手権、エクストリームEの創設前夜には、同シリーズのワンメイク車両『オデッセイ21』のテストプログラムでダカールラリー本戦の一部ステージに競技参加。2020年にはWorldRX世界ラリー選手権の電化に向けた“プロジェクトE”から生み出された、フォード・フィエスタERXのステアリングを握っている。

 こうした系譜も受け継いで誕生したアウディS1 e-tronクワトロ・フーニトロンは、この『エレクトリカーナ2』の撮影を終えて今季のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード(FoS)にも登場。ル・マン24時間で“9冠”の金字塔を打ち立てたトム・クリステンセンのドライブでファンの前を疾走した。

 わずか8カ月未満の準備期間で「ケン・ブロックのためだけに、彼の理想とするドリフトが可能な電気自動車」を製作したアウディは、その開発においてブロック本人から18インチホイールや車体寸法、サスペンションの設定などに具体的なアイデアの提供を得て、車両停止状態から瞬時に150km/hのドーナツターンを描けるモンスターEVを完成させた。

 一説には、このワンオフモデルの開発に数十億の費用がかかったと推測されているなか、初公開されて以降ほぼ2年が経った同車の活用法や今後の展開は見通せない状況に。

 ダカールラリーにこそアウディRS Q e-tron E2で挑戦を続けるも、2021年限りでのフォーミュラE撤退や、ル・マンに向けたLMDhの開発計画もキャンセルし、カスタマーレーシング活動の支援休止でGT3やGT4の行先も不透明な今、2026年にパワーユニット・サプライヤーとしてF1参入に全力を注ぐのかどうかにも、改めて注目が集まる。

今季の”Goodwood Festival of Speed”にも登場。ル・マン24時間で”9冠”の金字塔を打ち立てたトム・クリステンセンのドライブでファンの前を疾走した
この『Electrikhana TWO(エレクトリカーナ2)』の本編ラウンチは12月が予定されている


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