2019年からはホンダ・レーシング・スクール(HRS)のプリンシパルに就任。将来レーシングドライバーを目指す生徒たちを指導し始めている。琢磨がプリンシパルとして初めて送り出した岩佐歩夢もF1直下のFIA F2で活躍し、今年は全日本スーパーフォーミュラ選手権で戦うことを決めた。

 F1で7年、インディカーで15年と計22年もの間、世界のトップカテゴリーで戦ってきた琢磨。その道のりは山あり谷ありだったが、琢磨の残してきた成績と足跡は日本人ドライバーが未到だったものばかりで、大きくて意味のあるものだ。

 渡辺社長は「琢磨選手は長い間ホンダとの繋がりはありますが、決してホンダが敷いたレールの上を走ってきたわけではなく、自らの力で突破して切り開いてきました。世界の第一線で挑戦し続ける姿を、後進のドライバーにも見て欲しいし、その経験をHRCで発揮していただきたい」と期待を語る。

角田裕毅と岩佐歩夢とともにHRS特別講習会を行った佐藤琢磨
角田裕毅と岩佐歩夢とともにHRS特別講習会を行った佐藤琢磨

 1960年代からF1で戦うホンダだが、いまだに日本人優勝ドライバーが出現していないのは口惜しい現実。“世界で戦う”と一言では言うものの、その難しさと険しさを知るのは最前線で戦った人間のみだ。

 その意味でHRCが琢磨に白羽の矢を立てたのは、至極当然の成り行きかもしれない。

 もちろんF1がすべてではないが、高い目標を掲げることで邁進してきた琢磨にとって、この職務を全うするには、若いドライバーたちを常に高い意識で鼓舞していくことだろう。

 琢磨も「日本のレースのレベルは決して低くない」と断言する。日本から世界に飛び立って、やがて琢磨の残してきた足跡を踏み越えて行くようなドライバーが現れれば、琢磨もそれが本望だろう。

ホンダとともにF1を7年間戦った佐藤琢磨
ホンダとともにF1を7年間戦った佐藤琢磨
これまでトークショーでも若手への想いを語ってきた佐藤琢磨
これまでトークショーでも若手への想いを語ってきた佐藤琢磨

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