「これらのセットアップはパフォーマンス向上を目的としていたが、スプリングの破損やフロントタイヤへのストレス増加など各種の問題を引き起こす要因となっていた。そのためチームからの意見を取り入れて徹底的に評価した後、この規制を導入することを決断した」

 これらの変更がグリッドの勢力図にどのような影響を及ぼすかが注目されるなか、昨季年間勝利数を“22”とし、ライバルを圧倒する強さを披露した王者キスが依然として全14台のトラックで先頭を行く構図に。

 以前は予選とスーパーポールで雌雄を決していたグリッド争奪戦は、分割された3セッション方式となるなか、そのいずれでもリードしたキスが今季最初のポールポジションを獲得。ヨッヘン・ハーン(チーム・ハーン・レーシング/イベコ)、サッシャ・レンツ(SLトラックスポーツ30/マン)、アントニオ・アルバセテ(Tスポーツ・ベルナウ/マン)らおなじみのメンバーを従えて、中盤から雨が降り始めたレース1でも盤石のライト・トゥ・フラッグを決めてみせた。

 続くトップ8リバースのレース2は、オープニングでレンツとホセ・エドゥアルド・ロドリゲス(ロボコノーテ・レーシング・トラックチーム/マン)のトラックが絡み、路面にオイルが漏れたことで赤旗ディレイに。それでも集中力を切らさなかったキスは、後方から首位浮上を果たすのにそれほどの時間を要さず、アンドレ・クルシム(ドント・タッチ・レーシング/イベコ)をシケインのアウト側から仕留めるクラス違いの速さで連勝を飾ってみせる。

 明けた日曜の予選もハーンをわずか0.031秒差で撃破したキスが通算67回目のポールを確保。そのまま自身200回目の表彰台を最上段で祝う展開に。迎えた週末最終ヒートでもリバースのフロントロウに並んだロドリゲスのペナルティにも乗じ、喰らいつく意地を見せたシュテフィ・ハルム(チーム・シュバーベントラック/イベコ)もパスして土日2回のポールポジションと4回のレースすべてを制覇。イタリアでの週末を圧倒してフルポイントを獲得してみせた。

 これで自身6度目の王座に向けキスが完璧なスタートを切ったFIA ETRCの2024年シーズン。続く第2戦は6月8日~9日にスロバキアリンクで争われる。

王者ノルベルト・キスが圧巻のパーフェクト発進。両日ポールから4戦4勝の完全制覇/ETRC開幕戦
レース2はサッシャ・レンツ(SLトラックスポーツ30/マン)とホセ・エドゥアルド・ロドリゲス(ロボコノーテ・レーシング・トラックチーム/マン)のアクシデントにより早々の赤旗に
王者ノルベルト・キスが圧巻のパーフェクト発進。両日ポールから4戦4勝の完全制覇/ETRC開幕戦
シュテフィ・ハルム(チーム・シュバーベントラック/イベコ)もレース4で2位を獲得
王者ノルベルト・キスが圧巻のパーフェクト発進。両日ポールから4戦4勝の完全制覇/ETRC開幕戦
週末を通じてヨッヘン・ハーン(チーム・ハーン・レーシング/イベコ)との勝負も制し、自身6度目の王座に向けキスが完璧なスタートを切った

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武井さらたけいさら
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