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海外レース他 ニュース

投稿日: 2017.04.18 15:05

初優勝の地で苦戦した琢磨「チーム全体にとっても難しい1日だった」

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海外レース他 | 初優勝の地で苦戦した琢磨「チーム全体にとっても難しい1日だった」

 しかし、予選は不本意な結果に終わり、これが決勝レースで苦戦を強いられるきっかけとなる。予選グループでの順位は9番手で、このため琢磨は18番グリッドからのスタートを余儀なくされた。「バランスの変化に戸惑いました。気温が上がったうえに風が吹が強くなっていましたが、これは誰にとっても同じことです。まずブラック・タイヤでウォームアップして、レッド・タイヤに履き替えました。アタックできるのは2ラップです。最初のアタックでターン5の縁石を使ったとき、奇妙なことが起きました。アプローチの仕方がそれまでと違ったのかもしれませんが、クルマが間違った方向に飛び出し、アタックを中断しなければいけませんでした。次のアタックが最後のチャンスでしたが、やはりターン5でバランスを崩し、またもやタイムをロスしました。残りのラップで取り戻そうとしましたが、不可能でした。とても残念です。いろいろな条件が重なったのと僕のミスが原因でした」

 この後、琢磨はエンジニアのギャレット・マザーシードとNo.26のセッティングを見直し、決勝日当日のウォームアップでは2番手のタイムを叩き出す。「何人かのドライバーはレッド・タイヤを履いていましたが、僕はブラックを選びました。このときは『これが予選だったら!』と思わずにはいられませんでした。上がり下がりの激しい週末でしたが、最終的にいい結果が得られると信じていました」

 追い越しが難しいロングビーチで下位グリッドから追い上げるには、できるだけ早い段階で通常とは異なる戦略に切り替えるしかない。琢磨が選択した作戦もこれで、オープニングラップにウィル・パワーとチャーリー・キンボールの事故が起きてコーションになると、琢磨は2ラップ目にピットストップを実施。2回目のストップは12周目に行った。「今年の決勝は例年より5ラップ長くなりました。したがって2ストップで走りきるには燃費を15%ほどセーブしなければいけません。ただし、朝のウォームアップでは僕たちのマシーンが速いことは明らかだったので、3ストップ作戦を基本としましたが、いっぽうで柔軟に対応できるようにしたいとも思いました。また、僕たちには使えるタイヤがたくさんありました。なぜなら、僕たちの予選はセグメント1だけで終わったからで、このためレッド・タイヤが1セット余分にありました。つまり、最初から最後まで攻め続けられる環境が整っていたわけです」

「けれども、期待ほど速く走れませんでした。その詳細については検証しなければいけないものの、気温の上昇が関係しているのか、予想したほどのグリップを得られませんでした。苦しい戦いだったといえます。オーバーテイクで順位をいくつか上げることができましたが、大事な局面で抑えられる格好になり大きくタイムロスしてしまいました」

 レースの1/4を終えると、琢磨はJRヒルデブランドをパスしたものの、エド・ジョーンズを攻めあぐねることになる。琢磨は結果的に4ストップ戦略にスイッチし、残り26周で最後のピットストップを行う。それから間もなく、チームメイトのアレクサンダー・ロッシがコース上で停止したため、この日2度目で最後のコーションとなる。グリーンフラッグが振り下ろされたのはフィニッシュまで16ラップとなったときのことで、琢磨は13番手につけていた。

 少なくとも、この段階まで琢磨はレースを戦い続けていたのである。続いてトニー・カナーンをパスして12番手、ミカエル・アレシンを攻略して11番手に浮上。トップ10フィニッシュが限りなく現実味を帯びてきたこのとき、マシーンが不調に陥った。「この日のレースでトップ6やトップ7に入った何人かのドライバーと同じ戦略を選んでいました。けれども、最後のピットストップではまたしてもタイムをロスし、これが決定的な痛手となりました。コースに戻った僕はまだペースが上がらない状態で、すでにタイヤのウォームアップが終わっているドライバーたちに追い越されてしまいます。なにもかも、期待とは反対の方向に進んでいきました」

「やがてイエローが提示されます。僕は他のドライバーたちと同じレッド・タイヤを履いていました。リスタートではかなりアグレッシブにチャージしました。TKとサイド・バイ・サイドで走るのは最高でしたし、ターン1への進入でオーバーテイクできたのも楽しかったです!」

「このままトップ10圏内に食い込めそうな展開でしたが、突然パワーダウンが起きて、僕たちは残り7周で為す術もなくマシーンを停めました。アンドレッティ・オートスポーツにとっても難しい1日でした。これまでロングビーチのコースは僕たちに優しかったのに、今年、いい結果を残せなかったのは残念でした。ただし、シーズンはまだ長いので、次の1戦にも全力で挑むつもりです」

 シリーズ第3戦はアラバマ州のバーバー・モータースポーツ・パークで開催される。

「バーバーとソノマのテストは順調で、マシーンを確実に進化できたので、いいレースになることを期待しています」

written by Marcus Simmon


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