これで息を吹き返したのがビョークで、目の前の5番手にいたウルティアがリスタートのオープニングでグエリエリのシビックを弾き飛ばす現場を目の当たりにしつつ、3周目の終わりにはそのウルティアとジョン・フィリピ(ボルケーノ・モータースポーツ/アウディRS3 LMS 2)のバトルに乗じてポジションアップ。10周目にはフィリピも攻略し、首位プジョーの追撃に掛かる。

 最終ヘアピンでのクロスラインの攻防を経て、残り9分を切ったところでカルドゥソから首位を奪ったビョークが、タイムアップまでにプジョーを2秒以上突き放しての完全勝利を手にした。

「長い赤旗を経て、ようやくスタートできたことがうれしかった。他のドライバーたちと戦うのがとても大変なトラックで、まずウルティアが僕にポジションを与えてくれた」と波乱のレースを振り返ったビョーク。

「(ペドロ・)カルドゥソとも長いテール・トゥ・ノーズになったが、その瞬間には無理をせず僕を行かせてくれた。徹底抗戦せず、彼はできるだけ上位でフィニッシュしたいと考えていた賢い人物だ。もし彼が僕と戦い始めたら、他のクルマたちが追いついてくるだろうからね」

 一方、ビョークの首位浮上と同様のタイミングで、アウディ攻略に成功していたウルティアが3位でチェッカーを受けたものの、リスタート直後のグエリエリとの1件で5秒加算となり、その背後で執念の追走劇を見せていたグエリエリ自身がポディウムを奪還することに。

 さらにそのわずか数時間後に、スチュワードはビデオ資料を審査したうえでウルティアがアンチラグシステムを「手動でオンにした」ことが確認され、当該レースからの失格処分を言い渡した。

「技術規則の第6.4条『エンジン制御ユニット』では、参戦車両の『アンチラグシステムは許可』されています。システムは“エンジンが作動していないとき”に手動でオンにすることができ、かつ“いつでも手動でオフ”にすることができます」

「スチュワードは、FIAテクニカルデリゲート、データデリゲート、および112号車(ウルティア)のチーム代表から話を聞き、ビデオでの証拠を調べた結果、112号車のドライバーがレース2のエンジンが作動している状況でアンチラグシステムを手動でオンにしたと判断し、技術規則の第6.4条に違反しました。したがって失格のペナルティが適用されます」

 この裁定を受けウルティアは声明を発表し「これはコミュニケーションミスによるもの」だと弁明した。「失格は残念だが、純粋なコミュニケーションミスによるもので、レースでは往々にしてそういうこともある。(次戦の中国)株洲(ズーハイ)でのレースでは力強くカムバックしたい」

 これで今季3度目の失格裁定を受け、ペナルティポイントを9点としたウルティアが語るとおり、次戦のFIA TCRワールドツアー第6戦は、10月18~20日に香港とマカオにもほど近い常設ストップ・アンド・ゴーの珠海国際サーキットで争われる。

レース2“幻の”オープニングでは、アズコナとの接触によりビョークがサイドウェイ状態に陥る
エステバン・グエリエリ(ゴート・レーシング・チーム/FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCR)とネストール・ジロラミ(BRCヒョンデNスクアドラ・コルセ/ヒョンデ・エラントラN TCR)も見せ場に絡み続ける
「徹底抗戦せず、彼はできるだけ上位でフィニッシュしたいと考えていた賢い人物だ」と2位カルドゥソを称えた勝者テッド・ビョーク

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