以前の大会記録は、世界的ヒストリック愛好家のクリス・ロックが1976年製『ロータス・タイプ77』で記録した34秒69というタイム。今回は2023年のレコード時とはスタートラインがわずかに異なる位置とされ同一比較が困難になったものの、最終のシュートアウトを迎えたチルトンは21秒958という驚異的な新レコードを樹立した。

 その背後では、2位に実業家のマーティン・ラウバーが持ち込んだ1967年式『フォード・ファルコン』が29秒004で続き、僅差でGoogleのエンジニア夫人であり著名なコレクターでもあるクリスティン・スロスの2022年型『フェラーリSF90』が29秒822で並ぶトップ3となった。

 昨季の2023年大会でも、現地の野菜栽培農家としてアメリカ最大規模の生産・出荷企業グループとなるタニムラ&アントルが持ち込んだオフロード用デューンバギーが片輪走行を披露したが、今季はCNHインダストリアルの保有する世界有数の農業機械ブランド、ケースIH製の最大かつもっとも先進的なトラクターが、大歓声のなかコークスクリュー“登頂”を果たした。

「ラグナ・セカで迎える最新型デビューのために、こうしてトラクターを持ち出すのは最高だったし、ファンの反応を見られたのも、この経験全体の価値を高めた」と語るのは、ドライバーを務めてタイムシートにも入らない最高速度で巡航したジョナサン・メリル。

「来年はもっとパワーアップし、もっと素晴らしい性能を携えて戻って来て、マクマートリーをやっつける準備をしたいね!(笑)」

 こうして公式開幕となる週末を迎えた『ロレックス・モントレー・モータースポーツ・リユニオン』は、引き続き8月14日~17日の期間に開催され、日曜には第73回を数える『ペブルビーチ・コンクール・デレガンス』の日を迎える。

スタート/フィニッシュ・ラインから伝説のコークスクリューの頂点までを逆走し、ビルの高さで5階半に相当する丘を登り切ってフィニッシュを迎える独創的な設定となる
世界有数の農業機械ブランド、ケースIH製の最大かつ最も先進的なトラクターも登場

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