その土曜レース2はマーク・テイラー(テイラーズ・トラックスポーツ・レーシング/マン)がリバースポールからインサイドを維持してターン1へ。しかしフロントロウからサイド・バイ・サイドで食い下がったハルムが、狭いハラマのコース前半セクターを通じて並走。プレッシャーを掛け続けた効果か、ターン6で多少の接触がありつつも、ここでオーバーテイクを披露した彼女がリードを奪っていく。

 後方ではアルバセテがロドリゲスを追い抜こうとした際に衝突し、ともにリタイアを喫する一方、ハルムは圧倒的な勝利を収めるべく引き離しに掛かる。その背後2番手で粘ったテイラーには、クルシムを3ワイドで仕留めた王者キスとハーンの“チャンピオン艦隊”が迫るも、これを抑え切ったイギリス人ドライバーが殊勲の2位を獲得。その前方で盤石のリードを築いたハルムが、ランキング5位を堅める今季2勝目を飾ってみせた。

「この成功したシーズンで2勝目を飾って終えることができるのは、本当に素晴らしいことね」と笑顔を見せたハルム。「また、初勝利以降の前半戦は苦戦が続いた時期もあったけれど、とくにシーズン後半戦で感嘆符(!)をひとつかふたつ付けるようなレースができたことは安堵できる結果だし、チームとパートナーにとっても非常にうれしく思っている」

 明けた日曜、今季最後の予選では王者キスが躍動。Q3でわずか1回のアタックで最速を奪う貫禄のドライブをみせ、ハーンとレンツ、そして2列目4番手に飛び込んだハルムも置き去りにする年間全予選制覇を成し遂げる。

 これが今季予選最上位となった彼女を含め、続くレース3での上位グリッド勢にポジション変動はなく、ポールシッターは今季19勝目という驚異的な勝利数に到達。さらに今季最終のレース4では、地元のヒーローでもあるアルバセテが、スペインの大観衆の声援を受け優勝を飾ってシーズンを終えることに。

 このヒートではテイラーとロドリゲスのクローム組が激しい表彰台争いを演じ、その背後ではハーンとキスを相手に見事なディフェンスを見せたハルムが、4位を死守する完璧なドライビングを披露している。

すでに“6冠”確定の王者キスが2年連続全予選最速で年間19勝に到達。ハルムも2勝目/ETRC最終戦
王者ノルベルト・キス(レベス・レーシング/マン)は、レース3を制覇して年間19勝に到達してシーズンを終えている
すでに“6冠”確定の王者キスが2年連続全予選最速で年間19勝に到達。ハルムも2勝目/ETRC最終戦
今季最終ヒートのレース4では、地元出身アントニオ・アルバセテ(Tスポーツ・ベルナウ/マン)が優勝を果たした

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