表彰台に上がったタッシ、ミケリス、M1RAのクルー、そして観客席を埋め尽くした多くのファンは、ポディウムに流れるハンガリー国旗に感情の高まりを隠すことができず、特別な瞬間を共有することとなった。
「自分の生まれ育った国で、こんなに多くの観客を前に初優勝できたのは本当に最高の気分だ。ノビー(ノルベルト・ミケリス)は明らかに僕の背中を守ってくれたし、僕はミラーも見ず、コーナーでタイヤをセーブすることに集中するだけだったよ」とタッシが語れば、監督のミケリスも、この若きドライバーの成長を手放しで喜んだ。
「すべてが計画通りに進んだ。僕は戦略家かもしれないね(笑)。なにより、このレースに勝ったのはアッティラ(・タッシ)であることを強調しなければならない。彼はこの勝利に完全に値し、今季見違えるほどの成長を遂げた。僕は、彼がこの瞬間にどんな感情でいるか、何を感じなければいけないかを正確に知っている。とても感情的な瞬間なんだ」
「レース中は、彼に少し仕掛ける真似をしたり、それ以上にジャン-カールに対して徹底してディフェンス・ラインを取らなくちゃいけなかった。彼のゴルフの方が速いパートがいくつかあったからね」
「でも、ここでは過度なお祭り騒ぎは禁物だ。まだこの週末にはレースがひとつ残されているからね」
そうミケリスが語るように、日曜のレース2は引き続きM1RAチームが母国ファンを喜ばせる引き締まったレースを披露し、トップチームとしての成長を見せつける形となった。
スタートはリバースポールのヤン-レノ・モラー(ホンダ・シビック・タイプR)がホールショットを決め1コーナーへ。2番手にウェスト・コースト・レーシングのティーンエイジャー、ジャコモ・アルト(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)が続き、3番手には昨日の勝利から8番手スタートとなったタッシがジャンプアップ。いきなり3番手に躍り出た。

しかし、その1コーナーではダビド・カヤイア(アルファロメオ・ジュリエッタTCR)、ジャンニ・モルビデリ(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)、ダン・ロイド(セアト・レオンTCR)らが絡む多重クラッシュが発生し、セーフティカーが出動。
5周目のレース再開後は、M1RAのシビック勢が躍動し、まずはミケリスが6番手に浮上すると、3番手のタッシがアルトを仕留めて2番手に。
その後、ミケリスはレース1に続きベルネイを抑え続けると、コルチアゴが5番手に浮上するのをアシスト。一方、トップを追いかけるタッシは10周目にモラーの背後コンマ3秒まで迫ると、翌11周目に一撃でオーバーテイクを決め首位に浮上。

タッシは、そのまま今季最初の“週末2連勝”を挙げたドライバーに。2位にクラフト-バンブー・ルクオイルのペペ・オリオラ、3位に自身初表彰台となるモラーが入った。
TCRインターナショナルの第7戦は、7月8~9日にTCRジャーマニーとの合同開催となるモータースポーツ・アレーナ、オッシャースレーベン戦となる。

