シルバーストンで厳しいレースを強いられたことで、松下は選手権ランキング7位まで後退してしまった。上位勢との差は少しずつ、しかし着実に広がっていってしまっている。
崖っぷちに立たされたところから、その崖を滑り落ちる寸前のところまで来てしまった。ここから這い上がることができるかどうかは、松下自身の力だけでなく、チームとともに力を取り戻すことができるかどうかにかかってくる。
それでも最後まで諦めることなく戦うと松下は言い切った。
「全然諦めてないし、最後まで諦めません。ルクレールに追い付くのはちょっと無理だろうし、2位のローランドも厳しいでしょうけど、なんとか(スーパーライセンス獲得の条件である3位以内の)最後の席には絶対いかないといけない」
「3位争いの相手、ラティフィとかマルケロフとかはそんなに手強い相手ではないし、クルマがきちんと決まりさえすれば前に行けますからね。望みを捨てずに頑張ります」
「危機感はありますけど、そんなにネガティブな雰囲気ではないです。チームも何とかしようとしているし、してくれると思っています」
FIA F2のシーズンは折り返し地点を過ぎ、夏休み前の次戦ハンガリーで後半戦に突入する。ここで挽回できるか否かが後半戦と選手権争いを占う。松下にとっては正念場どころか最後のチャンスだと言っても過言ではない戦いを迎えることになる。
