先頭集団を掻き回したヒュンダイのリタイヤ劇の間、4番手ベルネイの背後にはタイトルを争うタッシのシビックが接近。自力で王座への望みを繋ぎたいタッシは懸命のキャッチアップを試みるも、残り2周で冷静さを失わなかったベルネイは、前を行くオリオラのチームメイト、ジェームス・ナッシュ(セアト・レオンTCR)をかわして3番手に浮上。
タッシとの間にマシンを1台挟むことに成功し、そのまま19周のチェッカー。この結果、ベルネイの2017年ドライバーズチャンピオンが確定。5位のタッシ、そして予選であわやポールという速さを見せながら、ギヤボックス交換に泣いた助っ人ドライバー、ジョシュ・ファイルズのシビックが6位に続き、M1RAチームが参戦初年度で初のチームタイトルを獲得した。

「今日のスタートは本当にプアで、自分で自分を苦しめる展開になった。シェドンと僕の間には別のマシンが挟まっていて、自力で状況を打開するしかなかったんだ」と、ベルネイ。
「でも僕は落ち着いていたし、背後のタッシとの距離を見ながらファイナルラップでは(前を行くジェームス・)ナッシュのタイヤがなくなっていたのが分かっていたから、前に出ることができた」
「シングルシーターでのタイトル(2010年インディ・ライツ)、ル・マンの勝利(2013年LMGTE-Am)に続いて、このツーリングカーでのチャンピオン獲得は多くの意味を持つ。あらゆる種類のマシンを速く走らせることができると証明したようなものだからね!」と、笑顔を見せたベルネイ。
続く、今季最終ラウンドとなったレース2は、リバースポールのタッシが気負いからかジャンプスタートを犯し、ドライブスルーのペナルティ。代わってベルネイの元チームメイトであり2年連続王者のコム・トゥ・ユー・レーシング、ステファノ・コミニ(アウディRS3 LMS)が意地の勝利。
2位にウェスト・コースト・レーシングのジャンニ・モルビデリ(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)が入り、この結果によりホンダ・シビック・タイプRを5ポイント上回り、フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRがモデル・オブ・ザ・イヤーに輝いている。



