すでにスーパーカーのマシンを知り尽くしたニッサン・モータースポーツ、ケリー・レーシングのチーム内には確立されたセットアップ哲学が存在しているというが、そこに正解はなくドライビングスタイルによって最適解は千差万別。以前に経験した方法とは全く異なったやり方も学ぶこととなった。
「そう。それは完璧に違っていた。誰もが異なったセットアップの好みを持っているし、初めてのマシン、初めてのカテゴリーの場合、何が正解かを求めるのは本当に難しい。たとえ全然違う好みのセットでも、必ず一度立ち止まって『これが私をより速くするか、それとももっと快適な方向を追求するか』と、問いかける必要がある」
「それを理解し、クルマの細部まで神経を行き届かせてドライブするには、プラクティスの量と経験がモノを言う。当初は私もそこまでの理解がないままドライブせざるを得なかった。でも今は詳細についてひとつひとつチェックボックスを入れ、すべてを把握した上でドライビングできている。それが大きな改善ね」
そうしたマシンへの理解と同様に、シリーズに組み込まれる各サーキットのトラックを経験したのも、来季に向けての明るい材料となる。
「私にとっての今季のハイライトは間違いなくバサースト1000。ワイルドカード枠で過去2回の参戦経験(フォード・ファルコンFG-Xをドライブ)があるだけで、レースでは簡単に上位で走ることが可能になった。最後にスピンしてそれを台無しにするまではね(笑)」
「望んだようなリザルトにはならなかったけど、このスーパーカーのマシンを速く走らせることができると証明できたのは、本当に良い瞬間だった。マシンを理解し、トラックを知り、周囲の物事がどのように機能しているかを把握していると、自分にとってすごく楽になることがわかった。来年はそれが機能してくれることを願っているし、本当に楽しみにしているわ」
こうしてシモーナが来季に向け抱負を語ったのと対照的に、ニッサン・モータースポーツとして参戦し、ケリー・レーシングの共同オーナーとして自らもニッサン・アルティマのステアリングを握ってきたトッド・ケリーが、この最終戦を最後にシリーズからの引退を表明。
同様に、グリッド最年長44歳のジェイソン・ブライトも、プロドライブ・レーシング・オーストラリアとともに戦う最終戦を最後に、30年に及ぶキャリアに幕を引く決断を下したと発表している。


