予選で驚異的ラップを完成させながら、他車をブロックしたペナルティでそのラップは無効に。パワーはポールポジションのはずが8番手スタートとなっていた。しかも、彼の代わりにポールを手にしたのは、ポイントリーダーのチームメイト、サイモン・ペジナウだった。今年のペジナウはとても良い流れに乗っているが、今朝の時点までパワーはまだ不運に取り憑かれたままだった。
しかし、予選で示した通りにマシンの仕上がりは最高で、チームメイトのペジナウを豪快にアウトからパスしてトップを奪った。残り20周でカストロネベスがトップ争いから脱落した後のことだ。
トップに立ったパワーは危なげなくゴールまでを走り切った。最終ラップには2位との差が一気に縮まったが、0.9203秒という十分な差を持ってゴールラインを横切った。昨年のグランプリ・オブ・インディアナポリス以来、1年1カ月弱で、通算26勝目をパワーは記録した。
「長かった……」とパワーは久しぶりの勝利を喜んだ。「これで僕のクルーたち全員にも自信が戻ってくると思う。体調不良で開幕戦を欠場し、その後にはアクシデントも幾つか起こした。厳しいシーズン序盤になっていたが、ようやくトップに上り詰めた」とパワー。ピッストップでライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)の前に出たのも大きなポイントだった。
ペジナウは2位でもハッピーだった。「誰も全レースで勝つことなんてできない。8戦で3勝、2位3回なら満足だ。しかも、ポイント2位との差は80点もある。これはデカイ。目標はチャンピオンシップだ!」と彼は語った。