今シーズンのインディカー・シリーズでは唯一アメリカ国外での開催となるレース、ホンダ・インディ・トロントは、カナダ最大の都市であるトロントのダウンタウンのすぐ南、オンタリオ湖沿いにある催事会場のエキジビション・プレイス特設コースで行われる。カナダには情熱的なインディカーファンが多く、トロントでのレースは毎年盛況で、今年30回目の開催を迎えた。

 今年はコースレイアウトに変更がなされた。インフィールドに高層ホテルが建設中のため、ピットがコースの最終コーナー付近、外側に移設されたのだ。ターン9から11の左、右、左と連続するコーナーはコース幅が大きく狭められことで、高速セクションから一転、スピードダウンはしながら、テクニカルでレースをよりおもしろくする可能性を新たに作り出すとの期待も高まった。

インディカー第12戦トロント/佐藤琢磨
インディカー第12戦トロント/佐藤琢磨

■好調な金曜日から一転

 金曜日にはプラクティスが2回行われ、佐藤琢磨(AJフォイト)は手応えを感じていた。走り出しからマシンが良かったことで4番手につけ、プラクティス2でのポジションは14番手と悪かったが、フレッシュタイヤを投入すれば、自らのセッティングをコピーして走ったチームメイトのジャック・ホークスワース(10番手)よりも上位に顔を出せるとの確信を持っていたからだ。

 ところが、翌土曜日になると状況はガラリと変わった。マシンの好フィーリングがなくなり、「予選トップ10は間違いなく、ファイアストンファスト6入りも十分狙える」と金曜に語っていた琢磨が、レッドタイヤ装着でも1分1秒4012しか出せずにQ1で敗退。グループ1のブービー賞で、グリッドは最後列ひとつ前の20番グリッドとなった。

「金曜日には力強く走れていたので、今日の結果には驚き、ガッカリしています。今朝のプラクティスから苦戦は始まり、予選も同様に厳しい戦いになっていしまいました。原因については、まだ判明してませんが、グリップ不足で、バランスも悪い」と琢磨は頭を抱えるしかなかった。

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