そのリスタートでも集中力を切らさなかったタルキーニは、現役WTCC王者を相手に一歩も引かない駆け引きを見せてトップを堅守。ビョークの背後には4番グリッドのTCR王者、ジャン-カール・ベルネイ(アウディスポーツ・レパード・ルクオイル/アウディRS3 LMS)をかわした2012年WTCC王者のロブ・ハフ(セバスチャン・ローブ・レーシング/フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)が上がってくる。

 しかしここで25番グリッドからポジション挽回を見せていたミケリスにふたたび悪夢が襲い、左フロントホイールの取り付けがルーズとなりコース脇にストップ。これで2度目のSCが導入されることに。

 11周目に再開したレースはふたたび56歳の老兵が先頭集団を指揮し、ビョーク、ハフを引き連れて3台の編隊走行に。ビョークも再三、前を行くマシンの隙を伺うものの、経験豊富なイタリアンは付け入る隙を与えず、そのままのポジションで20周のチェッカー。自らの手で開発を続けてきたヒュンダイの新型TCRマシンに、栄えある最初のWTCR勝利をプレゼントするとともに、自らも初代勝者として歴史にその名を刻んだ。

「子供のことは何でも知っているようなもんさ!!」と、自らの愛機をそう例えたタルキーニ。

「スタートが鍵になることはわかりきっていたので、そこに“息子”を押し込んだよ(笑)。首位に立った後はリラックスしていたんだ。オフにしてきた開発の成果が理解できていることはもちろん、このコースでオーバテイクするのは並大抵の技術では不可能なことを知っているからね」と、満面の笑顔を見せたタルキーニ。

 続く日曜のレース2は、ベルネイが地元の英雄であるメディ・ベナーニ(セバスチャン・ローブ・レーシング/フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)と好バトルを演じ、大観衆を沸かせる初勝利を挙げると、午後の最終レース3でもタルキーニがふたたびの勝利。2位にはレースを通じてタルキーニを追ったイバン・ミューラーが入り、2005年のWTCC創設年を思わせるワン・ツーに。3位はビョークとなり、ヒュンダイが表彰台を独占している。

 続く第2戦、ハンガリー・ラウンドは3週間後の4月28~29日に開催される。

リバースグリッドのレース2も2度のSC介入となるも、ベナーニ、オリオラの追撃を振り切り勝利を挙げたTCR王者のジャン-カール・ベルネイ
レース1、レース2ともに市街地らしく多くのアクシデントが勃発。タレント揃いのバトルが繰り広げられた
国を挙げてモータースポーツ活動の支援を受ける地元の英雄、メディ・ベナーニは歓喜の2位表彰台
レース3も制したタルキーニは週末62ポイントを手にし、テッド・ビョーク(右)と7ポイント差の首位発進

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