迎えたファイナルラップ。シビックのテールに迫ったゴルフGTIは、クオリー・コーナーでシビックのインサイドに飛び込みサイド・バイ・サイドに。アウト側のラインとなったFK8のテイラーは、ロイドにわずかに接触されたことでマシンがスライドして前に進まず、ロイドが最後の最後で逆転に成功し、そのままトップでチェッカードフラッグをくぐり抜けた。

 この時点では集まった観客もパドック全体も、ロイドの勝利と連勝記録の更新を疑わなかったが、唯一レーススチュワードだけが異なる見解を示した。

「最終ラップまでは、とてもうまくレースを運べていたと思う」と状況を語ったテイラー。

「そこまではレースペースをうまくマネジメントしていたけど、終盤にいくつかミスを犯した。それがダンを近づける原因になってしまったんだ」

「クオリー・コーナーではオーバーシュートしないことだけを意識していた。それでインを死守していたんだけど、次の瞬間にはマシンに衝撃を感じた。クルマが大きくスライドし、瞬間的にマシンをトラック上に留めることだけを考えたよ」

「そのまま並んでシケインに入ることになり、両者のマシンがコースオフしないように、自分が後ろに下がるしか方法がなかったんだ」

 しかしロイドの方は、これを一般的な“レーシング・インシデント”だと主張する。

「そのコーナーは僕がレース全周にわたってもっとも速く走れたコーナーだった。確実にスペースを残したけれど、彼は少しタイトに寄せてきた。それで僕らはミドルコーナーで接触したけれど、これは典型的なツーリングカーレースのオーバーテイクだったと考えている」

 レーススチュワードはテイラーの考えを支持し、ロイドに対し1秒のタイムペナルティを通告。これにより最終リザルトは2位となり、テイラーがTCR UKの歴史上で二人目の勝者となった。

 シリーズ全勝記録の挑戦が途絶えたロイドは、続くレース2に向け意地のポールポジションを獲得すると、そのまま全ラップリードを維持して優勝。全8レース中7勝を挙げ、レース1での1秒加算に加えて15ポイント剥奪の憂き目に遭いながらも、シリーズランキング独走状態を維持している。

 これで前半戦を終えたTCR UKはサマーブレイクに突入し、次戦第5戦はナショナル・サーキットのオールトンパークを舞台に、8月4~5日に再開となる。

R2ではダン・ロイドが文句なしの完勝。クプラTCRのカール・スイフトが初の3位表彰台を獲得した
ランキングではダン・ロイドが首位を維持も、15ポイント剥奪で82ポイント差にオリー・テイラーが迫った

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